【大阪市】源ヶ橋温泉 (風呂跡)
先月、生野区の「源ヶ橋温泉」さんが廃業したという知らせを聞いた。
今年の4月に廃業届けを出されていたもよう。
大阪でもキング的存在の銭湯。
昨年からずっと休業状態が続いており、嫌な予感がしていたけれど、心の中でずっと再開を祈っていました。
喪失感。
風呂を追い始めてから何度もこの気持ちを味わったけれど、源ヶ橋温泉さんの廃業の知らせは今までとは何か一味違う。
「あぁ、ひとつの時代が終わったな。」
平成が終わった時以上に、そう感じた。
結局、最後の訪問は廃業後になってしまったけれど。
その姿だけでも記録に残したいと思います。
最寄駅の寺田駅から徒歩10分ほど。
商店街のアーケードをテクテク歩きます。
「源ヶ橋温泉」さんです。
昔、この辺りには「猫間川」という川が流れていたそう。その川に架かっていた橋が、「源ヶ橋」です。
今では川も橋も無くなってしまったけれど、その橋の名をとった屋号は現在まで残り続けました。
全国で初めて「国の有形文化財」に登録された銭湯。
瓦屋根にステンドグラスの窓。
和洋折衷の帝冠建築は、源ヶ橋温泉さんが開業した昭和初期に流行した様式だそう。
中でも目を見張るのが、この自由の女神像。
「入浴=ニューヨーク」のシャレです。
手に持つトーチは「♨︎」になっています。
また、屋根の上にはシャチホコ。
シャレ好きで派手好きの、大阪ローカル色満載の外観です。
一体、この外観だけでいくらかかっているのだろか。そう思って、調べてみたところ「当時の金額で8万円(一般的な銭湯の2倍の費用)」とのこと。
内観もかなり贅沢な造りだったが、外観にも相当贅を尽くしていたもよう。
戦時中、敵国を連想させる自由の女神像は憲兵に目をつけられ、撤去される予定だったという。ただ、いざ撤去を試みたところあまりにも頑丈でビクともせず、結局諦め帰ったという逸話が残されています。
激動の時代を潜り抜けたこの像を、今でもこうして拝むことができるのは、すごく有り難くて、そして尊い。
建物前に設置されている街灯も、何気に年季が入っていて素敵。
煙突。すでにビニールが掛けられていました。
正面玄関周り。
建物、設備の老朽化。
燃料、地価の高騰。
経営者の高齢化、後継者不足。
家風呂による銭湯離れ・・・。
たとえどんなに愛されていても、どれだけ有名であっても、今の時代に銭湯経営を続けるのは、本当に難しいのだと思います。
今後、銭湯は減ることはあっても増えることはまずないでしょう。
もしかしたら・・・今の私たちは、「銭湯」という文化に触れられるギリギリの世代なのかもしれません。
町の中で、ホッと一息つける場所。
そんな安らぎの空間が、徐々に無くなっていってしまうのは、本当に寂しい。
源ヶ橋温泉さん。
初めて訪れた時の感動、決して忘れません。
その豪華で不思議な外観とレトロなのにオシャレな内観に圧倒されて、「銭湯て、やっぱり面白いな!」と改めて思わせてくれました。
風呂を好きになれて良かった。
ここに来れて良かった。
今まで、本当に本当に、ありがとうございました。
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源ヶ橋温泉
〒544-0023
【神戸市】大黒湯
仕事で良いことがあると、何故か無性に風呂に行きたくなる。反対に、さっぱりうまくいかなかった日も風呂に行きたくなる。
結局のところ、風呂には年がら年中行きたい。
今日は良いことがあったので、俄然風呂の気分になった。行き詰まっていた事が、なんとか良い方向に転がりそうなのです。
「っしゃー、今日は風呂行こかー!」
終業時間ピッタリにパソコンを閉じて向かった場所がこちらです。
ふふふふ。
建物が半分見えたところで、マスクの下の顔が思わずほころんでしまう。
「大黒湯」さん。よく見ると結構洋風な建物。
ぱっと見新しい感じがしますが、実は創業自体は古く、大正6年からこの地に湯を沸かし続けておられます。
新開地駅から30分ほど。
湊川公園駅からなら20分ほど。
仕事終わりなのによく歩いたね。自分頑張った。
屋号の上には、少し分かりづらいですが大黒様が微笑んでおられます。洋風建築×大黒様のコラボになんだかグッとくる。
狭い路地で、隙間からニョキッと煙突が顔を出しています。
いっぱい歩いたから汗かいちゃいましたよ。
さてさて参りましょうか!
玄関。ちょっとカクンとした間取り。
なんか良い匂いするなぁと思ったら、蚊取り線香を焚いていました。夏だ。
脱衣所のドアをくぐると、まずはカウンター。
お金を払って、暖簾をくぐります。
おお、・・・・明るい!!
近頃、渋めの風呂ばかり行っていたせいか、ここの脱衣所がやたら明るく感じる 笑
近代的な明るさです。
脱衣所は少しこじんまり。以前までは番台式だったため、フロント式に変わったぶん少し狭くなっています。
天井にはこれまた洋風なプロペラファンが優雅に回っております。
そして浴室。
大黒湯さんの浴室は、とにかくタイルの配色がすごく綺麗。
床、天井、カラン、浴槽の側面、フチ、それぞれに違う色とりどりのタイルが貼られているのですが、それがすごくセンスが良い。
しかも、よく磨かれていてめちゃくちゃピカピカ。
ウチの風呂も、こんな風に綺麗なタイルでいっぱいにしたいなぁ・・・なんて乙女な想像が膨らみます。
カランの丸い鏡も可愛いなぁ。
四角鏡よりも、やっぱり丸鏡が可愛い。
お湯はというと、熱過ぎず、という温度。
ちょうどいいのでゆっくりと浸かっていられます。今日はよく働いた。そしてよく歩いた。
あぁ、ええ湯やなぁ・・・。
よし、エナジー満点です。
大黒湯さん、元気注入をありがとうございました!
(追記)
先月に廃業されたと報告を受け、2021年6月に再訪致しました。
たとえお湯に浸かれなくても、洋風建築の風呂屋と大黒様を、最後にどうしても一眼みておかなければ・・・。
遠くから、煙突が見えて少し安心。
角を曲がるとふいに現れる、洋風の建て構えに思わずハッとしてしまう。
けれど暖簾が揺れていないのが切ない。
大黒湯さんです。夜には分からなかった、グリーンの優しい色合いの壁。そしてちょこんと鎮座する大黒様。
なくなってしまうなんて・・・せめてこの建物だけでもどうにか残ってくれないかな・・・
そう思いながらしばらく佇んでいると、後片付けをしている店主の息子さんが外に出て来られました。
息子さん「よく来てくれてたの?」
私「よく来させてもらってました。最後に一眼見ておこうと思って・・。写真撮らせてもらっていいですか。」
息子さん「もちろん。写真撮って、ここにこんな風呂屋があったってこと残してもらえると嬉しい。」
本当は続けたいんだけどね、僕も歳だから・・と残念そうに笑う息子さんの顔が忘れられません。
息子さんが仰るに、もともと大黒湯さんは旅館だったもよう。それが大正時代の話。
いつしか旅館から銭湯へと業態を変え、時は流れ、大正から昭和、平成、そして令和までこの地に湯を沸かし続けられました。
104年という歳月は長い。その長い長い歳月をこの場所で刻み、見守り続けた風呂屋。
その最後を見届けるのは、寂しい。
良かったら思い出に・・と店主さんにタオルと石鹸のセットを頂きました。最後の最後まで、風呂人情を感じさせてもらいました。
「ありがとうございました。」
と店主さんと建物に感謝の気持ちを伝えて、いよいよお別れです。
大黒湯さんは駅からちょっと遠くて、それでもわざわざ足を運びたいと思う、魅力あるお風呂屋さんでした。
残していかなければ。のれんが無くなっても、看板が無くなっても、建物が無くなっても。何もかもが無くなっても。
ここに風呂屋があったこと。
大正時代から湯を沸かしていたこと。
大黒様が微笑む洋風建築の外観だったこと。
色とりどりのタイルが施された明るい浴室だったこと。
午後に訪れると西陽に照らされて、それはまるで浮かび上がるように美しい風呂屋だったこと。
時を超えて、多くの人に愛されたこと。
大黒湯さん、今まで本当にありがとうございました。
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大黒湯
〒652-0061
営業時間 14時〜23時半
定休日 月曜
【高砂市】梅ヶ枝湯
『銭湯には"表の顔"と"裏の顔"がある。』
・・・なんてツウぶったことを申し上げている私ですが。実際、表の顔(正面玄関)からは想像もできないような裏の顔(釜場.煙突)を持つ風呂屋があったりする。
なので、風呂屋に行った時は必ず表だけでなく裏も確認するようにしています。
私が過去訪れた銭湯のなかでも、特に見応えのある"裏の顔"を持っている場所がこちらです。
「梅ヶ枝湯」さん。
高砂駅から徒歩で5分ちょっと。
表の顔はモルタル壁が渋いシンプルな建物。
そして気になる裏の顔がこちら。
表とは外観のイメージがガラリと変わります。
立派な木造釜場。幾度か増改築を繰り返し、現在のような不思議な様相となったもよう。
古さも相まって、なんだか幻のよう。そこに実在しているのが、すごく不思議に思える。
梅ヶ枝湯さんには5年前にも一度訪れているのですが、この裏の顔がいつまでも忘れられませんでした。
煉瓦を組んで作られた太くて立派な煙突。
写真では分かりづらいですが、黒い煙を吐いています。
内側も気になるなぁ・・・。
燃料の薪材です。
昔から変わらず、薪で湯を沸かし続けています。
裏側だけでもお腹いっぱいになれる風呂屋なのですが、表側もまた素晴らしい。
純度100%のノスタルジア。
揺れる風呂暖簾に揺れる思い。
ドキドキドキドキ・・・
写真左側にニャンがいます。
入り口は京都の風呂によく見られるタイプ。
最初から男女で別れていて、風呂暖簾も入り口に二枚かかっています。
ふぅ、と一息ついて、いざ!
ここから先は秘密の花園です。
昔ながらのタタキの玄関に、番台が設置されています。靴を脱ぐ前に、番台でお金を支払います。下駄箱は木製。また、番台の下部分も下駄箱になっております。
梅ヶ枝湯さんの一番の見どころは、なんといっても建物内部だと思う。
写真撮影はNGのため、お見せできないのが本当に惜しいのですが、脱衣所の雰囲気がもう、昭和初期そのもの。
ロッカーはもちろん木製で、扇風機やクーラーも懐かしい型。
建具も現在のものに比べるとやや小ぶりで、鏡や木のベンチにも年季が入っています。
広告に載っている電話番号も、今では絶対にかからないであろう番号が書かれていて、まるで本当にタイムスリップしたかのよう。
これが再現された空間ではなくて、残り続けた空間であることに、驚きと感激を受けます。
浴室には浴槽が2つ。奥の壁には少し小さいけれどタイル絵の風景画もあります。
浴室の入り口に設置されたタイル張りの水飲み台。「飲料水」と書かれていますが、実際にはもう水は出ません。こちらもかなり古いものと思われます。
使えないからといって撤去せずに、そのまま当たり前のように残されている。
梅ヶ枝湯さんのこの空気感は、そういうことの積み重ねで出来ているのかもしれません。
時刻は19時頃。すでに常連のお客様が4人ほどおられて、みなさん浴槽を取り囲むように身体を洗っていました。
ここは、みんなの風呂屋なんだな。
この風呂屋の日常の中に、余所者の私がふらりとお邪魔させて頂きます。
薪で沸かしたお湯はアツアツで、小さな浴槽で人と分かち合うお風呂は温かい。
湯上り後も、木製ベンチに腰掛けながらしばらく脱衣所を眺めていました。
全体的に薄暗い脱衣所。けれど、当時としてはこの暗さが標準だったんだろうな。
この風呂屋から言わせてみると、今が明る過ぎるのかもしれない。
ノスタルジーな気持ちを引きずりながら、駅までの夜道を歩いて帰りました。
ずっとずっと、今までもそしてこれからも
この場所で湯を沸かし続けてほしい。
梅ヶ枝湯さん、ありがとうございました。
(追記)
2020.10に再訪問致しましたので写真を追加します。夕暮れ時の風呂屋は、より一層ロマンが増しますね♪
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梅ヶ枝湯
〒676-0063
営業時間 16時〜23時
定休日 木曜
【明石市】小久保湯
あれ、おかしいな〜。
地図のとおり来たら、だだっ広い駐車場みたいな場所に辿り着いてしまった。
ホンマにこんな場所に風呂なんかあるんか?
キョロキョロと辺りを見渡した、その瞬間だった。
・・・ん?
なんか、一瞬視界に「ゆ」の文字が見えたような・・・?
ヒェッ・・・・!
なんですの、この妙にワクワクさせられる建物は。
あ、風呂暖簾。
そう、ここが今回の目的地。
「小久保湯」さんです!
どことなく漂うディープ感。
正面玄関は意外にも新しそう。
早速、お邪魔します。
風呂暖簾をくぐった瞬間、なんだか不思議な感覚を味わった。
・・・なんだ?
初めて来るはずの場所なのに、なんかここ知ってるぞ。
こじんまりとした玄関。
不思議な感覚を胸に秘めながら、靴を脱いで玄関にあがった途端、閃いた。
・・・プール。
そうだ。昔、よく行っていた市民プールに玄関の雰囲気がどことなく似ている。
そう思うと、なんだか風呂に来たっていうよりもプールに来たって感じがしてきた。
多分、そう思うのは私だけです。
変な親近感を抱きながら、脱衣所の扉を開きます。
・・・・。
おおおお、シンプル!笑
なんか、より一層自分の中でプール感が強くなってきた!笑
フロントは番台式。
ゆったりめの脱衣所には、二人掛かけのテーブルが置かれていました。
そして販売用の飲み物は家庭用の冷蔵庫で冷やしています。
外観といい、玄関のプール感といい、
全体的にユルッとした雰囲気が漂っております。
こりゃ、一体どんな風呂が楽しめるのかなとワクワクしながら浴室の扉を滑らせた、その時でした。
・・・・・はっ!
汲み出し洗い槽・・・!!
※汲み出し洗い槽とは
体を洗うためのお湯を溜めた、小さな浴槽。
カランの代わりに使われる。
もちろん、中に入ることはご法度。
浴室のど真ん中に鎮座する"ソイツ"を見て私は一瞬硬直してしまった。
そうだ、忘れていた。
私がここに来た理由。
神戸以外の場所で一軒だけ、汲み出し洗い槽を持っている風呂屋が明石にあるという。
それがここ、小久保湯さん。
小久保湯さんは明石で唯一、いや、おそらく神戸以外の国内で唯一「汲み出し洗い槽」がある実はすごい風呂屋なのだ。
ユルッとした空気に飲み込まれて、すっかりそのことを忘れていた。
湯の町浴場さんのものに比べると小ぶりだが、これはどっからどう見ても完全に汲み出し洗い槽。
なんだか、感動してしまった。
カランもあるけれどもちろん、こちらを使わせて頂きます。
浴槽は大きなものが1つ。浴室の一番奥に備え付けられています。構図は湯の町浴場さんとほぼ同じ。
身体を綺麗にして、早速チャポン♨︎
お、入りやすい温度です。
天井を見上げると、ブルーの塗料がところどころはげかけている。そして、全体的に薄暗い。
玄関と脱衣所は新しい感じがしましたが 浴室はなかなかの年季の入りようです。
熱くもぬるくもない程よい温度のお湯に、身体がほぐれていく・・・。
(この日は、実にたくさん歩いた日でした。)
風呂っていいな。風呂っていいな。
人間、どんなに暑くても湯には浸からんとですね。
さっぱりした気分で再び現実世界へ!
ちなみに、小久保湯さんのベスト煙突スポットはJR西明石駅のホームでした。
不思議で魅力的な風呂だった。
小久保湯さん、ありがとうございました!
(追記)
2020.11に再訪致しました。
初訪問時のインパクトが忘れられず、再訪。
今日もたっぷり小久保湯ワールドに浸るぞーと思っていたのに・・・
うそだと言って 涙涙涙
確かに、設備はかなり年季入ってそうだったからな・・・。今回は残念ですが、小久保湯さんの一刻も早い再開を願っております・・。
とりあえず、写真だけ追加します。
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小久保湯
〒673-0049
営業時間 15時〜22時
定休日 金曜
【明石市】名月湯
前記事でご紹介した三光湯さんから徒歩5分ほどの場所に何やら素敵な響きの銭湯があります。
立派な日本建築の建物。「名月湯」さんです。
・・・かっこいい。
これぞ、THE・銭湯♨︎という装い。
早速裏手に回ってみます。
煙突。
辺りは住宅街で、高い建物も少ないので煙突が映えます。
では、いざ入場!
最高にクール!!!
これぞ日本の風呂!そして日本の玄関!!
渋い。最高に渋い・・・!!
興奮のあまりシャッターが止まらない。
落ち着け、私。
私は玄関を拝みに来たんじゃない。
風呂に来たんだ、早く脱衣所へ向かうのだ。
興奮冷めぬうちに、いざ!
脱衣所のドアをくぐると、立派な番台が迎えてくれます。脱衣所ももちろん、最高にクール。内観はもちろん、漂う空気感も堪らなく渋い。
男女の境目の壁には、おしどりの透し彫りが施されていました。
ドライヤーはなく、オカマドライヤーが一台設置されています。
番台の奥様にお話を伺ったところ、名月湯さんは戦後からある風呂屋のようで、今で創業はだいたい70年ぐらい。現在の店主さんは4代目だそう。
長い年月が、この銭湯をより魅力的なものにしてくれているのだと思います。
わびさびの素晴らしさをしみじみと感じながら、浴室へ。
・・・・・・・。
・・・・・!!!!???
なんだ!!??ここはどこだ!!!???
さっきまでのわびさびはどこへやら。
浴室のドアの先は・・・
パステルカラーのメルヘン空間♡笑笑笑
四方の壁に草花のモザイクタイル絵が連なっております。
そして男女の境目である一番広い壁には
ぞうさん。ワンちゃん。うさぎさん。お猿さん。フラミンゴさん。鳥さん・・・♡
可愛い動物さんのモザイクタイル絵がお出迎え♡
ここは・・・ここは幼稚園なのか?
そんなバカな考えが脳裏をよぎった。
違う。ここは風呂だ。
見た目は純日本建築。中身は幼稚園の、風呂だ・・・・。
なんてこった。このギャップ。
私は、また新たな風呂の洗礼を受けた気がした。風呂は時として謎なのだ。
メルヘン浴室には、真ん中に大きな主浴槽と、奥に少し小さな浴槽の計二つ。
主浴槽の温度は、しっかりめの熱湯です。
熱湯に浸かりながら眺めるパステルアニマルズは格別だなぁ〜。ワンちゃんが特に可愛いぞ。
ちなみに、名月湯さんではオリジナルのクリアファイルの販売も行っています♪
名月湯ワールドをしっかり堪能できました♪
帰り際、風呂暖簾をくぐった瞬間
「あ、現実に戻ってきた」
と思いました。
メルヘン幼稚園→郷愁漂うレトロ空間→現実
の三段階でした。不思議だったなぁ。
よぉ〜く見ると、向かって左の壁に「♨︎」が。
名月湯さん、最高に素敵な時間をありがとうございました!!
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名月湯
営業時間 13時半〜21時
定休日 月曜
【明石市】三光湯
今回は明石にある「三光湯」さんを目指して出発しました。ほとんど予備知識なしで行った三光湯さん。果たしてどんな銭湯なのか・・・。
西新町駅から徒歩で5分ほど。
明石川の向こうに見えたのは・・・
「三 光 湯 」
川の向こうから、屋号が「こんにちは」してます。
ああぁ。グッとくる!
建物裏に接近。裏側なのにすでに素敵。
これ、夜になると「光」の上のライトが灯って、暗闇で屋号がいい感じに照らされるやつですやん。
見たい。次来るときは夜だな。
早くも再訪が決定したところで、まだ見ぬ正面玄関へと向かいます。
・・・いい!
すごくいい!
入る前から、もう好き。
かなり早い段階で心持っていかれてしまった。
個人的に、牛乳石鹸の風呂暖簾は人物イラスト付きのものが好きです。なんかほのぼのしてる。
玄関。正面に大きな魚のタイル絵。
下駄箱と玄関の床のタイル。
ちなみに、錠はおしどり錠と鶴亀錠のミックスでした。
脱衣所は番台式。そして、細長くて全体的にコンパクトな作り。(狭いわけではないけれど、なんとなくコンパクトな感じ。天井が他よりちょっと低いのか?)
すでに常連と思しき先客が三人ほどおられました。
私のような余所者にも、とても親切に挨拶してくださる。嬉しい。
そして、洗濯機が二台設置されていました。
そのうち一台はコインランドリーにありそうなしっかりしたやつ。風呂入ってる間に回せますよ!
テレビに映る吉沢亮君のドアップに乙女になりつつ、浴室へ。
浴室もコンパクトです。
浴室の真ん中には楕円形の浴槽。
コロンとした形とサイズで、なんだか愛嬌があります。
奥にもジェット風呂がありました。
そして棚に何故かクマのぬいぐるみも飾られていました。
お湯は割と熱湯。外観からして、ここの風呂は熱そうだなと思ったけれど、ビンゴ。
五臓六腑に染み渡るぅう。
熱いお湯にゆっくり浸かる瞬間て、何故か嬉しそうな顔しちゃう。人間みんなそうですか?
熱湯のコンパクト銭湯に大満足です。
ちなみに、めちゃくちゃみみっちい話ですが、三光湯さん、ドライヤーが20円で4分でした。
基本的に20円3分の設定がメジャーなので、他のところよりも1分お得な気分♪
(この1分が結構貴重なんですよ)
しっかり髪も乾かして大大大満足です。
やぁ。
次は夜に訪れます!
三光湯さん、ありがとうございました。
(追記)
2020年12月に再訪致しました。
念願の夕暮れ再訪です。
寂しく灯る小さな明かりに、胸がジンとくる。
夜の三光湯さんもまた格別でした。
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三光湯
営業時間 14時〜20時半
(入場は20時まで)
定休日 水曜
【神戸市】六甲おとめ塚温泉
趣味は銭湯だと言うと、割と珍しがられる。
そして「おすすめの銭湯に連れて行って!」と言われることがある。
さて、どこに連れて行こうか。
相手がもともと銭湯に興味がある人であれば、「あそこや、ここや・・」とたくさん思い浮かぶのですが、普段銭湯に慣れ親しんでいない人だとちょっと困ってしまう。
悩んだ挙句に私はこの風呂屋の名前が頭に浮かぶ。
「六甲おとめ塚温泉」さん。
なんと、ここは銭湯にもかかわらず源泉掛け流しの温泉が楽しめちゃうんです。
そのうえ建物内は広く、清潔的で、超見やすいホームページもあったりして、まるでスーパー銭湯並みの充実度。銭湯ビギナーにもってこいの場所です。
ちなみに、「おとめ塚」は漢字だと「処女塚」と表記します。
この地域には万葉集にも納められている古い言い伝えがあります。
処女塚伝説(菟原処女の伝説)とは・・・
ざっくりと言うと、容姿も心も美しい娘が二人の男性に言い寄られて、どちらか一方を決めきれず川に身投げしてしまったというお話です。
そして男性二人も彼女を追うように川に飛び込み、帰らぬ人となった。
彼女が眠る墓が「処女塚古墳」彼女に求愛した二人の男性の墓を「東求女塚」「西求女塚」として、現在もこの地に残されています。
さて、話を風呂に戻します。
六甲おとめ塚温泉さんは石屋川駅から徒歩5分ほど。六甲道駅からだと10分くらい。
六甲道駅からの場合、途中で灘温泉さんの横を通ります。ハシゴ風呂できますね!
(灘温泉さんも最高の銭湯なので、またいずれこちらにも記事を書きたいと思います!)
住宅街をテクテク歩くと、向こうから赤くて丸い「ゆ」の看板が・・・。
ドン!
昼夜問わずたくさんの人で賑わっています。
待合所にはテレビが設置されていて、そのうえ軽食まで売られています。
湯上り後もまったりできちゃいますよ!
券売機でお金を払って、フロントで券を渡します。
脱衣所はゆったり。
老若問わずたお客さんがたくさんおられます。
脱衣所から階段を上って、浴室へ。
浴槽が非常にバラエティ豊か。
中でも人気なのが露天風呂!
六甲おとめ塚温泉さんは岩風呂の露天風呂を備えているのです!こちらも源泉掛け流し。
浴場は男女日替わり制で、岩風呂は
男性が偶数日、女性が奇数日です。
広くて、綺麗で、源泉掛け流しで、そのうえ使いやすい銭湯。どうりでいつ行っても繁盛されてるわけです。
また営業時間が長く、朝風呂が楽しめちゃうところも嬉しいポイントです♪
六甲おとめ塚温泉さん。風呂っていいな、と改めて思わせてくれる銭湯です。
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六甲おとめ塚温泉
営業時間 午前6:00~深夜1:00
(最終受付/深夜0:30)
定休日 年中無休
【尼崎市】昭和温泉
尼崎市はダウンタウンのお二人の地元としても知られている町です。
そんなお二人が、幼少の頃に通っていたと言われている風呂があります。
JR尼崎駅から徒歩5分ほどの「昭和温泉」さんです。
アーケードから長い石畳が続きます。
元の色が分からないくらいに、年季が入った看板。
長屋が並ぶ路地に佇む渋い煙突。
玄関と下駄箱。
ツバメ錠。
1984年。改装時のものと思われます。
脱衣所はもちろん、番台式。
男性側の脱衣所には神棚が飾られております。
残念ながら女性側からは頭の部分しか見えませんでした。
脱衣所で一際目を引いたのが、超年代物の体重計。キュンとしてしまう。
浴室はというと、私から見ると「可愛い♡」という感想。さりげない装飾が可愛らしいのです。
外観や脱衣所はその名のとおりいかにも「昭和!」なのですが浴室には洋の要素が混ざっている。天井も、よく見られる船底型ではなくアーチ型。
さらに、カランや浴槽のところどころにお花のタイルがあしらわれているのですが、これがとにかく素敵。
特にいいなと思ったのが、浴槽の中にはめ込まれたコバルトブルーの色をした花形のタイル。
水面に揺られていて、うっとりしてしまう。
湯の中で撫でると、スベスベで気持ちいい。
ちなみに、お湯はわりとしっかりめの熱さでした。
外観だけでは想像もできない内観。
これが、銭湯の面白さでもあり、実際に足を運びたくなる魅力でもあると思います。
関西住みやすい街ランキング1位に輝いている尼崎。かつて工場が立ち並んでいたJR尼崎付近は平成に入ってから再開発により大変容を遂げました。
様変わりした街のなかに、今でも存在する変わらない場所。銭湯はその街にとって、貴重で大切な遺産です。
昭和温泉さん、ありがとうございました!
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昭和温泉
営業時間 15時〜22時30分
定休日 金曜
【尼崎市】平和湯
先日、用があって尼崎に行って参りました!
私は以前、尼崎で働いていたことがあり、JR尼崎付近の風呂屋にはよく通っていたので、今回は用事ついでに懐かしの風呂屋に再訪です。
まずは、「平和湯」さんへ。
JR尼崎駅から徒歩で15分ほど。
商店が立ち並ぶ通りをひたすらにテクテクテクテク・・・・
お天気は今にも降り出しそうな曇天模様ですが、風呂はいつでもアツアツの湯を沸かして我々を待っている。
めげずにテクテクテクテク・・・
およ!
おおおおお!あったぞ、平和湯さん!
牛乳石鹸さんの風呂暖簾2020年バージョン。
実物を初めて見ました。
煙突。おそらくここが一番よく見える場所。
玄関と下駄箱。ちなみに鍵はおしどり錠でした。
この玄関の写真、実は撮影するのに結構時間がかかったんですよ!
17時頃の訪問だったのですが、お客さんがひっきりなしに出入りするので、なかなか無人にならない。しばらく待機していました。
さすが銭湯の街、尼崎。なかなかの賑い。
この場所には銭湯の文化がまだ根強く残っているのかもしれない。素敵です。
やっとこさ玄関の撮影を終え、脱衣所へ。
番台式で、広めの脱衣所。
ふと、壁を見てみると
「ぬか袋 00円」と書いてある。
↑3桁目が誘導灯と被っていて見えない 笑
ぬか袋・・・。
江戸時代に石鹸の代わりに使われていたという、当時の銭湯における必需アイテム。
令和の時代に売られているぬか袋とは一体どんなものなのか・・・。当時のぬか袋のように、米ぬかを入れて使うのだろうか。これをまだ買い求める人はいるのだろうか。
気にはなったが、特に究明することもなく謎を胸に秘めたまま浴室へ。
普通の浴槽の他、電気風呂、ジェット風呂、赤外線風呂、水風呂、蒸気風呂が備えられている。
身体を洗い、真っ先に向かったのは横たわり型の赤外線風呂。湯と赤外線のダブルコンボで一気に身体を温めていく。
私の他に先客が三人おられたのだが、三人とも浴槽の縁に座って、浴槽のお湯で身体を洗っている。
温泉や、スーパー銭湯では完全にご法度な行為だが、ここは町の風呂屋。普段使いしている常連さんがそれでOKなら、何も問題はない。そんな光景を赤外線の下で微笑ましく眺めていた。
町の風呂屋よ、永遠に。
平和湯さん、お邪魔致しました!
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平和湯
営業時間 15時〜22時30分
定休日 火曜
ブロガーバトンを引き継ぎました
【目次】
KENKENさんからバトンを受け取りました
KENKENさん(id:kenichirouk)からバトンを受け取りました♪
KENKENさんは、はてなブログの「温浴グループ」にも参加されていて毎日湯活の記事を更新されています。お風呂とサウナのスペシャリストです!
ここだけの話ですが、私が最初にこのブログを開設した時、勝手ながらKENKENさんのブログをめちゃくちゃ参考にさせて頂きました 笑
こんな誰も知らないブログにバトンを引き継いでくださってありがとうございます 感涙
はてなブログ初心者で、機能を勉強しながら作成致しました!変なところがあったらすみません。どうか、温かい目でご覧ください・・・!
ブロガーバトンのテンプレート
テンプレートです。
こちらに画像加工アプリを使って
せっせと書き込みをしたのがこちらです↓
私のブロガーバトン
【自己紹介】
神戸在住の、ただの風呂好きです 笑
どこか遠出や旅行に行くと、必ず近辺の銭湯をチェックしています。
【更新頻度】
不定期ではありますが、週末には更新ができると思います!
このご時世なので、あちこち動き回るのも躊躇われますが・・・無理のない程度に風呂散歩を楽しんでいきます。
【ブログのジャンル】
今のところ、銭湯レポートオンリーの予定です 笑
風呂好きによる風呂好きのためのブログを目指していきますよ!
このブログで「行ってみたい!」と思える風呂屋が増えるきっかけになると嬉しいです。
【ブログを始めたきっかけ】
昨年、神戸の「朝日湯」さんが廃業されたのがきっかけです。
大好きな銭湯だったのに、私には頭の中の記憶しか残っていません。
そこで、今後行く銭湯は記憶だけでなく、記録としても残しておきたいと思い立ちました。
【ひとこと】
まだまだ駆け出しのブログではありますが、皆さんにとって楽しい記事が書けるように頑張ります。銭湯の楽しさ、偉大さ、美しさ。それらを発信していきます!
【一番古い記事】
↑内容的には上記とほぼ変わらないです 笑
【お気に入りの記事】
↑美しすぎる西洋建築の外観と摩訶不思議な人間洗濯機が魅力の風呂屋です!
次のブロガーバトンを渡す方
私からは苺大福さん (id:lebentur105)にお願いしたいと思います。
突然のご指名、失礼致します。
または、すでに参加されていたらすみません💦
ご負担でなければ、受け取って頂けると嬉しいです!
オフンロにも参加されていた苺大福さん。
おそらく同じ地域の方だろうと、勝手に親近感を抱いております 笑
鳥獣戯画のイラストと一緒にお風呂のことだけでなく日常の記事も更新されていて、私もいつも拝見しています♪
以上、ブロガーバトンでした!
【神戸市】湯の町浴場
その風呂は、坂の上にあります。
「湯の町浴場」さんです。
〇〇湯 とか 〇〇温泉じゃなくて
浴場というネーミングに心惹かれます。
湊川公園駅から徒歩で15分ほど。
神戸の台所と言われる東山商店街を歩きます。
人がたくさんの元気な商店街。美味しい飲食店や、昔ながらのお店もたくさんあってぶらぶら歩いているだけでも楽しめます。
賑やかな通りを抜けると閑静な住宅街。
その住宅街をひたすら登っていくと、静かに佇む湯の町浴場さんに出会えます。
白い外壁に、赤文字の屋号。
思わず、見とれてしまう外観です。
「いつまでそんな場所で突っ立てるのさ♪」
風に揺られて、風呂暖簾がおいでおいでと手招きしています。そうだ、行かなくては。いざ!
玄関。オフンロ第二弾のポスターが今も飾られていました。
鶴亀錠。
脱衣所はゆったりです。
手持ちドライヤーはなく、オカマドライヤーが一台設置されていました。
浴室のドアを開けると真っ先に目に飛び込んでくるもの。それは、立派な汲み出し洗い専用槽。
一見、子供用の小さな浴槽にも見えますが、これは身体を洗うために使うお湯を貯めているもの。中に入ってはいけませんよ。
この汲み出し洗い槽から桶でお湯をすくって、身体や髪を洗います。
私はひそかに、この汲み出し洗い槽のことを神戸銭湯遺産と呼ばせて頂いております。
実は全国的に見ても、このような設備は非常に珍しくて今では神戸に数軒と明石に一軒しか残っていないそう。
もとからこのあたり特有の代物なのか、それとも昔は全国的に見られたものなのか・・・。
謎ですが、とにかく珍しいものであることに変わりはない。
この汲み出し洗い専用槽を見物するために、わざわざ遠くから足を運ぶ銭湯マニアもきっといるはず。
カランもありますが、せっかくなのでこの汲み出し洗い槽を利用します。
腰掛けに座ると、不思議と温かい。この下にお湯でも通っているのだろうか?汲み出し洗い槽の構造が気になる。
浴槽は大きなものが一つ。
六甲のミネラル豊富な湧き水がたっぷりと沸いています。早く!早く入りたくていそいそと身体を洗います。
きちんと身体を綺麗にしたら、六甲水のお湯にザッブーンです。ひぇー気持ちえー!
ポカポカと芯まで温まります。
素晴らしいお湯に、目の前には世にも珍しい汲み出し洗い専用槽。
銭湯マニアとして、これでもかってくらいに最高のシチュエーションです 笑
エモいてやつですね。
ポカポカのお湯に浸かりながら、晩御飯のことを考えていました。
グルメな方ならきっとこの後オツな下町グルメを満喫したりするのでしょうが、いかんせん私は財布が寂しいので、なるべく家で済まします。
・・・確か、冷蔵庫に山芋があったな。
あれをすりおろして、トロロご飯にしよう。
それから、ちょっと奮発して買った湯葉豆腐も一緒に食べよう。汁物は粕汁でも作ろっか。
・・・・
ここまで考えて、はたと気がついた。
さっきから頭に浮かぶのは全部白い食べ物だ。
白い外観の銭湯に魅了されたせいだろうか。
思わず、ニヤッとしてしまった。
坂の上の名銭湯、湯の町浴場さん。
これからも足しげく通います!
(追記)
2021年1月に再訪致しましたので写真を追加します。この日はお正月でしたので、レアな風呂のれんにもお目にかかれました♪♪
牛乳石鹸湯のれんのお正月バージョン!
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湯の町浴場
営業時間 15:00〜20:20
定休日 火曜
【神戸市】相生湯
坂の多い町、神戸。
ひょんなところから海が垣間見れると、ちょっと嬉しくなっちゃうのは私だけでしょうか。
さて!
今回は「相生湯」さんへお邪魔するべく、えっほえっほと坂を登っておりますよ!
ちょっと寄り道。諏訪神社です。
相生湯さんは、県庁前駅から徒歩15分ほど。
三宮からでも頑張れば歩いて行けます。
(ちと遠いですけどね!)
毎日牛乳さんの目と鼻の先です。
毎日牛乳 山側。
海側もあるんかな?
相生湯さんは、狭い路地の先にあります。
そのお姿が、こちら。
デカデカとした「ゆ」の文字。
「ゆ」がやたらと主張しているように見えますが夜になると「あいおい」の文字が光ります。
これがね、ライトアップされるとめちゃくちゃそそられるんですよ。
ついつい、ふらふら〜と路地に吸い込まれてしまう。
相生湯さんに来たら、是非見て頂きたいのが建物の裏側!
正面玄関から向かって左側に行くと、後ろへまわることができます。
ボイラー室と、立派な煙突。
玄関口の外観と比較すると、裏側はかなり年季が入っています。きっと、長いことこの場所に存在している建物なのでしょうね・・・。
この景色を見ると、相生湯さんの風呂のありがたみが数段アップしますよ。入浴前に是非拝んでくださいね。
さて、では中へ参りましょう!
玄関。
男湯の脱衣所から、白熱した野球観戦の声援が聞こえていました。楽しそうです 笑
玄関のドアを開くと、柔和な奥様がいらっしゃいと出迎えてくださいました。
番台式の脱衣所です。
冷蔵庫の上にはセルフの冷水があります。
湯上りに頂こう。
浴室は、流れ湯の浴槽と薬湯の浴槽がありました。あと、日曜はサウナが無料で利用できます。
男湯側からの声↓
おじいさん「なぁ!今、阪神勝っとうで!」
若者「・・・僕、巨人ファンなんで。」
おじいさん「なぁーーん!?」
思わず吹き出してしまいました。
知らない者同士の裸の付き合い。いいですね。
浴槽からは絶え間なく湯の流れる音が響いています。サブザブザブ。癒されるなぁ。
しっかり肩まで浸かって、ゆっくりリフレッシュできました!!
路地を入ったところにある、毎日牛乳の自販機。
下段右側にあるパックの冷しあめが気になった。
あ、美味し。
相生湯さん、素敵な時間をありがとうございました!
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相生湯
営業時間 15時〜22時
定休日 土曜
【神戸市】ときわ湯
世の中には「アクアソムリエ」という
お仕事があるそうです。
アクアソムリエは水の専門知識を備えており、ミネラルウォーターを販売する企業の相談や、個人に合った水の提案などを行います。
アクアソムリエ曰く、人にはそれぞれ自分の体質に合った水があるのだそう。
そして、自分に合う水を選ぶことで体調維持や活力の向上につながるという。
そんな話を聞いてから、私は常々こう思うようになりました。
この世に自分に合う「水」があるのなら
自分に合う「ゆ」もあるのでは、と。
・・・・。
あなたにとって相性が良い風呂はどこですかと聞かれたら、私はここの名前を挙げます。
「ときわ湯」さんです。
閑静な住宅街の中に、
突如浮かび上がる「ゆ」の文字。
この「ゆ」の看板を初めて見た時、私の胸は高鳴った。きっとこれから、素敵な出会いが待っているような気がしました。
「ゆ」の看板を右に曲がると、ときわ湯さんは姿を現します。
かなりインパクトのある外観。
プレハブの壁に大胆な柄が描かれております。
こちらの建物、実は震災直後のもの。
この阪神地区は、1995年の阪神淡路大震災の時に甚大な被害に見舞われました。
ときわ湯さんも、例外ではありません。
そして震災後、一刻も早くを営業を再開するべく建てられたこのプレハブの店舗で、今もなお営業を続けておられます。
下駄箱。
おしどり錠です。
冒頭にも述べましたが、この世に自分と相性の合う湯があるとすれば、私はここの湯こそ自分の体にぴったりと合うと思うんです。
ときわ湯さんがある御影は、日本でも有数の酒どころです。この辺りは灘五郷と呼ばれ、白鶴さんや菊正宗さんなどの有名酒造メーカーが酒蔵を構えています。
つまり、美味しい日本酒の材料ともなる上質な地下水がこのときわ湯さんのお湯にも使われているというわけですね。
どうですか。
それを聞くだけでも、もう五臓六腑に染み渡るでしょう!
だからですかね。
ここの湯はものすごく、
ものすごぉ〜く 気持ちいい!!
私は風呂好きのくせに、結構湯あたりしやすい体質で、長湯をするとすぐにヘロヘロになっちゃうんです。
でもここのお風呂は、私でも長く浸っていられます。ゆっくりたっぷり。そして湯上がりのポカポカ感が長く持続します。
私は水に詳しくはないので根拠などはよぅ説明できませんが、この際そんな小難しいことはいいんです。気持ち良ければなんだっていい。
ここの湯は本当に最高なんです・・。
是非一度味わってみてほしいな。
フロント式の待合スペース。
外観の大胆さと打って変わって、中は至ってシンプルです。このこじんまり感が、すごく落ち着きます。
浴室は、少々うす暗くて、そして静かです。
静寂な空間に大きな浴槽が一つドンとあります。まさに 侘び寂び。日本の美学。
ゆっくりのんびり、お湯を楽しみます。
時折、どこかしらから聞こえる水滴の音。
こんなに静かで、気持ちの良い空間が、この世にあるとは・・・。
ときわ湯さんは御影のワンダーランドです。
安らぎを求めて、私はまたときわ湯さんへ。
いつも、本当にお世話になっています。
そしてこれからも宜しくお願い致します。
(追記)
2021.01に再訪致しましたので写真追加します!
今はなき溝田旗工業さんの湯のれん!
貴重な代物です・・・。
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ときわ湯
兵庫県神戸市東灘区御影本町8丁目9-19
営業時間 16時〜23時
定休日 土曜
【大阪市】延命湯
まったくの余談だが
今から3年ほど前、私には大阪在住の彼氏がいた。年上のインテリ彼氏で、私と付き合うには勿体ないくらいのスペックの持ち主だった。
彼とはよく、福島の飲食店で食事をした。
福島駅周辺は小洒落た店がたくさんあって、いつでも多くの人で賑わっている。
当時あまり大阪に詳しくなかった私は、いつも彼の後を着いて歩いていた。
そしてある日、飲食店がひしめき合う狭い路地裏で私は見つけてしまったのである。
暗い路地の向こうで赤く光る
「ゆ」の文字を・・・・。
「こんな場所に風呂屋がある!」
私は興奮気味に声をあげた。
そんな私と、その「ゆ」の文字を見て
彼はぼそっと言った。
「やめとき。汚そうやし。」
・・・・・。
風呂のロマンが分からない男だった。
私は黙って、また彼の後を着いて歩いた。
あれから時は流れ、
あの頃の彼は過去の人となった。
そして、私は再びこの地
福島に一人降り立った。
前置きが随分長くなりましたが
私にとってこの銭湯は、風呂のロマンを知らない彼をほんのりと思い出させる、ちょっとセンチメンタルな銭湯なのです。
当時、福島にはよく通っていましたが
不思議なことにどの店に行ったとか、どんなものを食べたとか、全く思い出せないのです。
ただ、ひとつ覚えていること。
あそこには、路地裏で怪しく誘う
魅惑の銭湯があった。
そして私は、
その風呂屋に本当はすごく行きたかった・・。
ね?
気になっちゃうでしょ、こんなの。
というわけで
「延命湯」さんに行ってきました。
なかなかモダンな外観。
調べたところによると関西を代表する建築家の一人、竹原義二さんが建築を手がけた銭湯なのだそう。
さらに、竹原義二さんが初めて「建築賞」を受賞したのも、この延命湯さんだったそう。
ひとつの建造物としても高く評価されているのですね。素晴らしいです。
下駄箱には、大きなキャリーバックを引きずらないようにという注意書きがされていました。
場所柄、旅行者の方も多いのですかね。
外観もモダンで特徴的ですが
内観もかなり珍しい感じでした。
番台式ですが、カーテンでしっかり脱衣所と仕切られています。
カーテンの先にあるのは、曲線の壁が美しい脱衣所。
けれどここは銭湯。
味のある渋さもあります。
モダンと渋さが混ざり合っているなんともハイカラな不思議空間でした。
浴室も、思わず「おっ」と声を出してしまうほど珍しい作り。かなりデザイン的です。
見たことのない形の湯船が目を引きます。
潜水艦をイメージして作ったのだそう。
そして脱衣所と同様、浴室も緩やかな曲線を描いたつくりです。天井も高くて気持ちが良い。
お写真でお見せできないのが本当に残念・・。
デザイン性に富んだ、ほかの銭湯ではなかなかお目にかかれない面白い銭湯でした。
あの頭ばっかり良い、インテリ男にも教えてやりたい。
延命湯さんは、決して汚くなんてない。
むしろ、美しい。そして、魅力的な銭湯だということを・・・。
(追記)
2020.12に再訪致しましたので、写真を追加します。前回は暗くてよく分からなかった外観を今回はバッチリ見ることができました。
コンクリート壁の玄関。
脱衣所の壁もコンクリートです。
建物裏です。
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延命湯
〒553-0003
営業時間 16時〜23時
定休日 火曜日
【京都市】新地湯
中諸島駅。
坂本龍馬激推しの地である。
この駅から徒歩圏内に、坂本龍馬が襲われた「寺田屋事件」で有名なあの寺田屋旅館があります。
坂本龍馬ゆかりの地として、龍馬ファンや幕末マニアの方々がさぞや数多く訪れるのでしょう。
・・・・けれどね、
中諸島はね、銭湯マニアにとっても憧れの地なのです。
そう。中諸島にはね
「新地湯」さんがあるから!!!!
(しかも駅から徒歩数分!!)
そんな銭湯マニアから羨望の眼差しを受けている新地湯さんが、こちら!
目に飛び込んできた瞬間、鳥肌が立ちました。
圧倒的な存在感。この一画だけ時が止まっているかのよう。美しいです。
見事なまでの和洋折衷な建造物。
当時の人々は、この建物をどういう風に見ていたのだろう。
その65年後、1931年に新地湯さんはこの場所に建てられました。
入り口からすでに、男女で別れています。
これもまた、京都式です。
格子の扉。
扉の向こうには番台式の脱衣所が広がっています。こちらにも、神棚の代わりに招き猫が鎮座しておりました。円柱の柱が印象的です。
浴室に入ろうとした時に、番台の方に
「桶持って行ってね〜」と言われました。
見てみると、浴室の扉の横に桶が並んでいます。脱衣所に桶を置いてあるパターンのお風呂です。
確か、昔お邪魔した京都の桜湯さんも同様でした。京都にはよく見られる形式なのだろうか。
ちなみに風呂イスはなく、京都銭湯ならではのベタ座り式。タイルの滑らかさが気持ちいい。
肝心のお湯はというと、これまたなかなかの熱湯。ガツンと身体を温めてくれる。
熱湯に浸かりながら、ボンヤリと考えた。
憧れの銭湯に辿り着いた時のあの感動は、大好きな有名人に出会った時の感動と似ているのかもしれないと。
有名人に会ったことはないけれど
でも、きっとこんな気持ちになるんだろうな。
大人になっても、こんなに感動できることがまだまだあるんだな・・・。
銭湯て、素晴らしいな・・・。
こんな歴史ある銭湯に、日常的に通える常連さんが羨ましい。
新地湯さん、感動をありがとうございました。
ラッキー植松さんのポストカードも。
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新地湯
〒612-8228
営業時間 16時〜23時
定休日 月曜