【神戸市】扇港湯
もし県外の人から「神戸の銭湯を案内してほしい」と言われたら迷わずこの銭湯に連れて行くだろうと思う。
駒ヶ林駅から徒歩1分。
「扇港湯」さんです。
扇港とはかつて神戸の港を指した言葉で、港が扇のような地形をしていたことからそのように呼ばれていました。
今ではほとんど使われない言葉ですが、風呂は昔日を物語ります。
2階に設置された謎のドア。
そして正面からは見えない鍾馗さん。
扇港湯の外観はよく見ると面白い。
レトロな湯のれん。では参りましょう!
玄関。
夕方に訪れたのですがお客さんの往来が激しかったので下駄箱の写真は控えました。
玄関のドアを開くと番台がお出迎え。
脱衣所はとっても広い。外は雪が散らつくほど寒かったので、風呂が恋しい。早く早く早く!と衣類をロッカーに押し込んでいざ!!
浴室のドアを開くと、ニヤつきが止まらなくなってしまう。
冒頭でも述べたように、私はここが一番神戸を感じてもらえる風呂屋だと思っている。
その理由として、一つは浴室の中央に設置された汲み出し洗い槽。
細長い湯船のようなものなのだが、人が浸かるのは御法度。あくまでも体を洗うために設置された浴槽です。
汲み出し洗い槽がある銭湯は全国でも3軒。それが全て神戸にある。全国でも珍しい、そして神戸でも珍しくなった浴槽にここでは出会うことができます。
そして、神戸らしさを感じる二つめの理由。それは浴室の壁に施された大きなモザイクタイル絵。なんと、神戸の夜景の絵です。
海から見た神戸。ポートタワーにビル、そして六甲山地。この題材のモザイクタイル絵は、流石にここでしか見られない。海に映る夜景の灯りも表現されていて、圧巻です。
女性側からはポートタワーの全体を見ることができます。1933年のポートタワーの完成を記念して設置されたという壁画。先代はいい物を注文したなぁと湯に浸かりながらしみじみ。
汲み出し洗い槽と神戸のモザイクタイル絵。間違いなくこの風呂屋にとって唯一無二の財産です。
ゆっくり浸かっていたので、ポカポカです。
風呂さえあれば冬の寒さなんてなんのその・・いや、湯冷めする前にはよ帰りましょう。
扇港湯さん、ありがとうございました!
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扇港湯
〒653-0043 神戸市長田区駒ケ林町2-20-12
営業時間 13時〜25時
定休日 月曜