【小樽市】小町湯(風呂跡)
2021年10月に、道内最古の銭湯であった小町湯さんが閉業されました。
小町湯さんの歴史は古く、明治時代からこの地で湯を沸かし続けていたとのこと。
本当は今回の旅で小町湯さんを訪れる予定を組んでいたのですが、数日間に合わず・・。
念願の入浴はできませんでしたが、その姿を一目見るためにやって来ました。
南小樽駅から徒歩5分ほど。
電車の中でもその姿を拝むことができます。
「小町湯」さんです。
いっぱいいっぱいのなかで営業を続けられていたのが伺える一枚。
このレンガと石を組み合わせた煙突が堪らなく渋い。
ぐるーりと周ってみました。
看板には、屋号の「小町湯」と「三〼」という文字。むむ、三〼ってなんだ?
三〼について調べてみたところ、以下のことが分かりました。
明治時代、今のオーナーさんの祖父にあたる方が蕎麦屋を買い取ったところ、なんと風呂屋もついてきたという。というのも、もともとのオーナーさんは、蕎麦屋と一緒に風呂屋も経営していたのだ。
買い取った蕎麦屋の屋号を「三〼そば」とし、ついてきた風呂屋が今の「小町湯」とのこと。
蕎麦屋と風呂屋、二足のわらじで経営を続け、三〼そばは地元では評判の有名店になったそう。そんな三〼そばが小樽から姿を消したのは昭和61年。明治の貴重な面影を残した建造物が珍しいと北海道開拓の村という博物館から寄贈の要請があり、現在は札幌に移築し、管理されている。
小町湯さんの看板書かれた「三〼」という文字は、かつて蕎麦屋と共に受け継がれ、経営を続けてきた名残だった。
ホテルのテレビでたまたま、「小町湯最後の日」という特集を見ることができた。暗い夜の町で小町湯の灯りがポッと消えた最後の映像が脳裏にずっと焼き付いている。
風呂屋の灯りを無くした町が、今日も普段と変わらず時を刻むのか。
永い歴史の灯りを灯し続けた小町湯さんに敬意を込めて、小町湯さんありがとうございました。
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〒047-0016 北海道小樽市信香町11−4