【神戸市】たちばな湯
風呂と全く関係のない話で恐縮なのですが、先日結婚をしました。
新生活の準備やら引っ越しやらでバタバタしていて、全然風呂に行けていなかった。ブログからも離れてしまっていました。
ようやく落ち着いたので、ぼちぼち風呂散歩を再開しようと思います!
そんな久々な風呂散歩なのですが、非常に残念なお知らせが舞い込んできました。
たちばな湯さん廃業のお知らせ。
6月いっぱいまでの営業とのこと。
このところ、神戸銭湯の廃業のお知らせが相次いでいて、とても悲しい。
梅雨の晴れ時を見計らって・・・最後のたちばな湯さんに会いに行ってきました。
大倉山駅から徒歩10分ほど。
なだらかな坂の途中にあるのが・・・
「たちばな湯」さんです。
昔ながらな雰囲気漂う外観が特徴のお風呂屋さん。創業は1955年。
暖簾上のライトも、可愛いでしょ♪
煙突。
では参りましょう!
玄関。暖簾をくぐると外の喧騒から隔離されます。床もドアも壁も木材が使用されていて、さらにこの薄暗さがどこか懐かしくて、優しくて、沁みます。
おしどり錠。年季入ってます。
玄関のドアをくぐるとフロントがお出迎え。
もちろん内装もフロントも木材仕様。
木の香りがいっぱいに漂います。
照明は暖色系の灯りで、この哀愁が風呂ファンの心をガッチリ掴んでいます。
フロントでお金を支払って、脱衣所へ。
脱衣所はコンパクトめの造り。
天井は格天井で、これにもやはり風呂ファンの心をガッチリ。
ちなみに、浴室はめちゃくちゃピカピカ。
カランも数年前に入れ替えたばかりなので新しいです。
銭湯としての使いやすさ、そして昔ながらの雰囲気を味わえるバランスの取れた風呂屋なのです。(廃業してしまうのが本当に惜しい)
浴槽は男女の境の壁に横並びで設置。
薬湯と泡風呂と電気風呂と普通の浴槽。
身体を洗って、浴槽へ。
なんだかんだで、私はやっぱり普通の浴槽でゆっくり温まるのが一番好きです。
しばしのほほんとしていると、常連のおばあちゃんが声をかけてくだった。
「おねーちゃん、この辺の人?」
私「いえ、電車で来ました。廃業されると聞いたので・・。」
「せやで、6月いっぱいで終わりみたいやな。おばちゃんな、家に風呂ないのに。これからどこで風呂入ればええんやろ。」
おねーちゃん家の風呂入れてーなと笑いながら言われました(笑)
「おねーちゃん、家族と住んでるん?」
私「いえ、一人暮らしです。」
と答えた時、ふと気が付いた。この日は独身最後の週末だったと。
独り身最後の週末は風呂に浸かりけり・・・相変わらずな過ごし方に少しニヤッとしてしまった。
「一人暮らし、気をつけなアカンよ!最近物騒な事件多いからね!!おばちゃんはクソバッバァやから大丈夫やけど!!!」
そんなことないですと言いながら和やかな時間を過ごす。そうそう、風呂ってこういう場所なんだよな。
「ほなね、またね!」
とおばあちゃんは浴室を後にしました。
この風呂屋はなくなる。お互い、きっとまた会うことはない。そう分かっていても
「また!」と返してしまう。
一人になった浴槽で、切なさを胸に最後のたちばな湯の湯を堪能しました。
たちばな湯さんは、風呂に目覚めた大学時代から社会人になってからも、何度も訪れた風呂屋でした。
訪れる度に、幸せな、温かい気持ちになれた。
訪れる度に、またねと心の中で呟いた。
これが、最後のまたね。
たちばな湯さん、ありがとうございました。
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たちばな湯