【神戸市】湯の町浴場
その風呂は、坂の上にあります。
「湯の町浴場」さんです。
〇〇湯 とか 〇〇温泉じゃなくて
浴場というネーミングに心惹かれます。
湊川公園駅から徒歩で15分ほど。
神戸の台所と言われる東山商店街を歩きます。
人がたくさんの元気な商店街。美味しい飲食店や、昔ながらのお店もたくさんあってぶらぶら歩いているだけでも楽しめます。
賑やかな通りを抜けると閑静な住宅街。
その住宅街をひたすら登っていくと、静かに佇む湯の町浴場さんに出会えます。
白い外壁に、赤文字の屋号。
思わず、見とれてしまう外観です。
「いつまでそんな場所で突っ立てるのさ♪」
風に揺られて、風呂暖簾がおいでおいでと手招きしています。そうだ、行かなくては。いざ!
玄関。オフンロ第二弾のポスターが今も飾られていました。
鶴亀錠。
脱衣所はゆったりです。
手持ちドライヤーはなく、オカマドライヤーが一台設置されていました。
浴室のドアを開けると真っ先に目に飛び込んでくるもの。それは、立派な汲み出し洗い専用槽。
一見、子供用の小さな浴槽にも見えますが、これは身体を洗うために使うお湯を貯めているもの。中に入ってはいけませんよ。
この汲み出し洗い槽から桶でお湯をすくって、身体や髪を洗います。
私はひそかに、この汲み出し洗い槽のことを神戸銭湯遺産と呼ばせて頂いております。
実は全国的に見ても、このような設備は非常に珍しくて今では神戸に数軒と明石に一軒しか残っていないそう。
もとからこのあたり特有の代物なのか、それとも昔は全国的に見られたものなのか・・・。
謎ですが、とにかく珍しいものであることに変わりはない。
この汲み出し洗い専用槽を見物するために、わざわざ遠くから足を運ぶ銭湯マニアもきっといるはず。
カランもありますが、せっかくなのでこの汲み出し洗い槽を利用します。
腰掛けに座ると、不思議と温かい。この下にお湯でも通っているのだろうか?汲み出し洗い槽の構造が気になる。
浴槽は大きなものが一つ。
六甲のミネラル豊富な湧き水がたっぷりと沸いています。早く!早く入りたくていそいそと身体を洗います。
きちんと身体を綺麗にしたら、六甲水のお湯にザッブーンです。ひぇー気持ちえー!
ポカポカと芯まで温まります。
素晴らしいお湯に、目の前には世にも珍しい汲み出し洗い専用槽。
銭湯マニアとして、これでもかってくらいに最高のシチュエーションです 笑
エモいてやつですね。
ポカポカのお湯に浸かりながら、晩御飯のことを考えていました。
グルメな方ならきっとこの後オツな下町グルメを満喫したりするのでしょうが、いかんせん私は財布が寂しいので、なるべく家で済まします。
・・・確か、冷蔵庫に山芋があったな。
あれをすりおろして、トロロご飯にしよう。
それから、ちょっと奮発して買った湯葉豆腐も一緒に食べよう。汁物は粕汁でも作ろっか。
・・・・
ここまで考えて、はたと気がついた。
さっきから頭に浮かぶのは全部白い食べ物だ。
白い外観の銭湯に魅了されたせいだろうか。
思わず、ニヤッとしてしまった。
坂の上の名銭湯、湯の町浴場さん。
これからも足しげく通います!
(追記)
2021年1月に再訪致しましたので写真を追加します。この日はお正月でしたので、レアな風呂のれんにもお目にかかれました♪♪
牛乳石鹸湯のれんのお正月バージョン!
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湯の町浴場
営業時間 15:00〜20:20
定休日 火曜