ゆ〜こさんの風呂散歩

神戸在住の風呂好き女が行く、銭湯めぐりのまとめです。

【豊岡市】京極湯

 

兵庫の果てだなぁ。

と思いながら長いこと電車に揺られていました。時間にして、約4時間半。

この日訪れたのは豊岡市豊岡駅

豊岡最後の風呂を求めて・・・

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「京極湯」さんです。

もう、風情がダダ漏れじゃないですか!

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煙突とイチョウ

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よく見ると屋根のてっぺん部分、鬼瓦が「湯」になっています。こういうちょっとした装飾にキュンとしてしまう。

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では参りましょうか!

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なんてこった、玄関の全体像を撮影し忘れた。

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脱衣所への扉は木製の開き戸です。

他の建具に比べると新しい感じがしますね!

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扉の先は、時が止まっていました。

料金は大人380円。背の高い番台で料金を払い、番台横の木製下駄箱に履物を収めます。

下駄箱のちょっと大きめの木札を引っ込抜くと、札の下に隠れていた「使用中」という文字が現れます。スタンプで押したみたいな、可愛い文字。

脱衣所の中でも、特に目を引くのがやはり木製ロッカー。扉に墨で書いたような文字で

「い ろ は に ほ へ と ・・・つ ね な ら む れ」

いろは歌。仮名文字のロッカーです。

ん?なぜ最後の文字が「れ」?

よく見ると、本来の「た」「れ」「う」の文字の位置がそれぞれ入れ違いになっていた。

扉を開くと、裏側が面を取ったような加工がされている。手がこんでますな。ロッカーの鍵は、鶴亀錠。

 

浴室はというと、非常にシンプル。

カランが7つに浴槽が1つ。

シャワーはなく、カランの蛇口で調整したお湯を桶に溜めて、身体を洗います。

私の他には常連さんが二人。一応、風呂イスが用意されていますが二人ともカランの前でしゃがみこむような姿勢で身体を洗っている。

理由はないけれど、じゃあ私もその方法で。

ツルツルしたタイルの床が足裏に優しい。

「お先〜。」

「さいなら〜。」

身体を洗っている途中で、お二人とも浴室を出られました。律儀に私にまで声をかけてくださるのが嬉しい。急に静かになった浴室。

さて、お待ちかねの入湯!

長距離移動で疲れた身体を癒すぞ。

湯に身体を浸すと、徐々にビリビリビリッと身体に痺れが走り出した。もちろん、電気風呂ではありません。なんてことない、普通の浴槽。

入った瞬間は熱湯って感じでもないのに、身体の芯まで温もりが届いてくる。なんだこれ、すごく心地いい。

ぐーっと息を吸って、ハァと深く深呼吸。

マスク生活で、なんだか息が浅くなっている気がする。これを機に、身体だけでなく気持ちもほぐそうじゃないか。

 

それにしても、この静けさ。癒されるなぁ。

神社仏閣や教会に流れているのと同じ静謐さを、この場所にも感じる。

心が穏やかになる。何の信仰心もないくせに、祈りたいような気持ちになる。

 

い ろ は に ほ へ と     ち り ぬ る を

わ か よ た れ そ          つ ね な ら む

 

美しい花もいつかは散る

人の命にも終わりがある

 

何十年後かに二十代の今の自分を振り返ると、あの頃の私は色んなところに出かけて、そしてたくさん風呂に入ったなぁと思うんだろうな。

この先、およそ何の役にも立たないようなことに何時間もかけて、それを全力で楽しんでたなぁと笑うのでしょう。

なんだか、風呂の中で時が有限であることをしみじみと噛み締めてしまった。いつか、こんな時間も無くなるのかな。

きっと、ここが近所にある風呂屋ならこんな感慨深い気持ちにはならなかったはず。

このひと時のために、長い時間をかけてやって来たからこそ湧いてくる特別な思い。

そう考えると、移動時間に何時間も費やすことは、必ずしも無駄な行為だとは限らないなと、思えてくるのです。

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風呂から上がると、身体中が真っ赤になっていました。やっぱり熱かったか?笑
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日常の中に潜む非日常のような空間だった。

さて、果てから果てへと帰ろうかな!

京極湯さん、ありがとうございました!

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京極湯

〒668-0033 兵庫県豊岡市中央町11−16

営業時間 16時〜20時

定休日 日曜