【大和高田市】中央温泉
夏になると、必ず奈良に行く。
どういうわけか、夏になると行きたくなる。
超暑いのに。困ったもんです。
そんでもって、奈良にはリピートしたくなる素敵な風呂屋が多い。
超遠いのに。困ったもんです。
高田駅から10分ほど。
この日訪れたのは・・・
「中央温泉」さんです。
クラッとくる。決して暑さのせいではありません。
立派な入母屋破風。ロマンが過ぎる。
神戸にもほんの数年前までは入母屋破風の屋根を持つ銭湯があったのですが、廃業してしまい今は一軒も残っていないので尚有り難みを感じてしまう・・・。
外観に感激し過ぎて、なかなか中に入れません。
煙突。それにしても暑そうな空。
行くか。行きますか。
お、風のイタズラ。中のタイル絵がちらリズム!
玄関。木製の引き戸!木製の引き戸!!
木製の引き戸だぁぁああ!!!
(テンションの針が振り切った)
コンクリートむき出しの床もめっちゃいいですよね!!!!!
下駄箱!
木製の傘入れ!!
土壁に格天井!!!
この風呂屋、どんだけ私を喜ばせてくれるつもりなんや。
縦横の木目が順番に並んでいます。
それにしても綺麗な杢ですね。敢えて美しい部分を選んだのでしょうか。板一枚一枚に艶があるように見えます。
それでは、脱衣所へ。
少しガタつくレトロな引き戸を開けるとその先には・・・・
はっ・うぅっ・・感涙
言わずもがな、そこにはありとあらゆるレトロに溢れていました。
ケヤキの木製ロッカー。扉一枚一枚に施された漢数字。玄関と同様に天井いっぱいに広がる格天井。昼間なのに全体的に薄暗い空間。
真夏の幻なのか。いや、現実だ。かつて存在した、とある時代の光景だ。
番台のお父さんに尋ねたところ、こちらは昭和5年からある風呂屋とのこと。
感無量になりながら、浴室へ向かいます。
私が訪問した際は、浴室のドアは常に開けっ放しでした。夏だからでしょうか。閉めないのがこの風呂屋のローカルルールなのか?と思いながら私もドアを全開にしたまま浴室へ。
まず目に飛び込むのは、壁一面に広がるモザイクタイル画。アルプスの光景を彷彿とさせる作品です。
そして浴室の真ん中にはドン!と浴槽が一つ。
床は少しガタがきていて、ところどころ隆起しています。足元にはお気を付けてください。
常連のお客さんが多くて、私が加わったことでカランが全て埋まってしまいました。
身体を洗ったら早速浴槽へ。
浴槽は中で半分に仕切られていて、狭いほうと広いほうがあります。
狭いほうにはすでに人がおられたので、広いほうへ足を伸ばそうとしたところ・・・
「そっちは熱いでー!まずはこっちで身体を慣らすんやぁ。」
と狭いほうにいたおばあちゃんからアドバイスを頂きました。
おばあちゃんが招き入れてくださったので、せっかくだから狭いほうに入れていただきます。
お湯の温度感はちょい熱めです。
「気持ちえ〜やろぉ。縁に頭乗せて足伸ばすと最高やで〜。」
「あぁ、ホンマですね〜。」
おばあちゃんに言われるがままに、私も浴槽の縁に頭を乗せてめいいっぱいに足を伸ばします。完全に無防備な姿だが、本当に気持ちいい。湯と身体が一体になる瞬間て、ありますよね。
壁一面のアルプスを眺めながら、不思議と夢を見ているような気持ちになるのでした。
湯に浸かってる時の私、こんな感じ。
名残惜しいけど、さよなら、いにしえ空間。
また奈良に好きな風呂が一つ増えてしまった。
中央温泉さん、また必ず訪れます。
ありがとうございました!
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中央温泉
営業時間 14時〜18時半
定休日 5の倍数