【京都市】島原温泉
京都の島原は江戸時代には花街として大いに栄え、それはそれは華やかな世界が広がっていたという。
こちら、島原花街の入り口だった島原大門。
150年以上も前の建造物が日常風景の中に溶け込んでいるところに感動してしまう。さすが京都。
そんな、かつて大人の盛り場だったこの場所にこれまた日常の一部として存在し続ける風呂屋があります。
「島原温泉」さんです。
京都では入り口に男女の湯のれんが二枚かかっている場合が多いのですが、島原温泉さんは男女共用のものが一枚です。
ラジューム。ラジウムのことですね!
もともとは千鳥湯という屋号だったもよう。
サウナの文字に比べて島原温泉の文字部分が新しい感じがします。
こちらは煙突。大門をくぐるとすぐに見えてきます。
ではでは、ゆるりと参りましょう!
玄関。ここで男女に別れます。
鶴亀錠。
女性側のドアは自動ドアになっていて、ヒュンッと開きます 笑
颯爽と開かれたドアの先には、コンパクトめの脱衣所がお出迎え。番台の上には神棚。そしてその先には大きな招き猫。やはり京都風呂といえば招き猫です。千鳥湯時代の祝い額も飾られていました。
壁にはズラリと柳行李のカゴが立て掛けられていて、好きなカゴをとって衣類などを収納します。
そしてカゴごとロッカーに押し込み、鍵をカシャン!あ〜!京都来たって感じする〜!!
浴室の扉を開けるとまず目に飛び込むのが
「ラヂウム温泉」と赤い文字で書かれた壁と岩風呂。よーく見ると、岩のところに小さな観音像が。男女の壁の間には灯篭もはめ込まれており、なんともご利益ありげな雰囲気が漂っています。
オモロイ浴室やなーと思いながら身体を洗い、浴槽へ。深風呂へと片足をつけたその瞬間だった。
ア・・・アツイ・・・
え、なんだこの熱さ。
今まで色んな風呂に行き、色んな熱湯にも出会ってきたが、そんなものとは比にならないくらい、規格外に熱い。とにかく熱すぎて、片足をつけたまま硬直してしまった。
この浴槽は、普段からこんなに熱いのだろうか。私は静かに片足を浴槽から出し、隣の浅風呂に移動した。片足だけでギブアップしたのは初めてだ・・・。
浅風呂はほどよい熱さでした。ようやく一息。
ザブザブザブと湯が溢れる音を聞きながら、いにしえに想いを馳せます。
島原が花街として栄えたのは江戸時代から明治時代にかけてのこと。日本で最初の公認花街であり、当時は格式高い遊宴の街だったという。
ところが立地の悪さが影響し、祇園の繁栄と共に衰退の途を辿り、いつしか住宅街と化しました。
この風呂屋は、島原が華やかだった頃を知らない。この場所に風呂屋があること自体、島原が格式高い花街ではなく一般市民の生活の場所に取って代わったという証明なのかもしれない。
時代は変わったのか。それとも代わったのか。
いにしえのロマンに浸れる風呂屋でした。
島原温泉さん、ありがとうございました!
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営業時間 14時半〜24時半
定休日 金曜
ちなみに・・・『島原』というのはあくまでも呼び名であり、正式な地域名を『西新屋敷』といいます。しかしながら島原の名のほうが浸透しており、タクシーでも「島原まで!」とお願いした方が伝わる確率が高いとのこと。
島原散策も非常に面白かったです!