【京都市】島原温泉
京都の島原は江戸時代には花街として大いに栄え、それはそれは華やかな世界が広がっていたという。
こちら、島原花街の入り口だった島原大門。
150年以上も前の建造物が日常風景の中に溶け込んでいるところに感動してしまう。さすが京都。
そんな、かつて大人の盛り場だったこの場所にこれまた日常の一部として存在し続ける風呂屋があります。
「島原温泉」さんです。
京都では入り口に男女の湯のれんが二枚かかっている場合が多いのですが、島原温泉さんは男女共用のものが一枚です。
ラジューム。ラジウムのことですね!
もともとは千鳥湯という屋号だったもよう。
サウナの文字に比べて島原温泉の文字部分が新しい感じがします。
こちらは煙突。大門をくぐるとすぐに見えてきます。
ではでは、ゆるりと参りましょう!
玄関。ここで男女に別れます。
鶴亀錠。
女性側のドアは自動ドアになっていて、ヒュンッと開きます 笑
颯爽と開かれたドアの先には、コンパクトめの脱衣所がお出迎え。番台の上には神棚。そしてその先には大きな招き猫。やはり京都風呂といえば招き猫です。千鳥湯時代の祝い額も飾られていました。
壁にはズラリと柳行李のカゴが立て掛けられていて、好きなカゴをとって衣類などを収納します。
そしてカゴごとロッカーに押し込み、鍵をカシャン!あ〜!京都来たって感じする〜!!
浴室の扉を開けるとまず目に飛び込むのが
「ラヂウム温泉」と赤い文字で書かれた壁と岩風呂。よーく見ると、岩のところに小さな観音像が。男女の壁の間には灯篭もはめ込まれており、なんともご利益ありげな雰囲気が漂っています。
オモロイ浴室やなーと思いながら身体を洗い、浴槽へ。深風呂へと片足をつけたその瞬間だった。
ア・・・アツイ・・・
え、なんだこの熱さ。
今まで色んな風呂に行き、色んな熱湯にも出会ってきたが、そんなものとは比にならないくらい、規格外に熱い。とにかく熱すぎて、片足をつけたまま硬直してしまった。
この浴槽は、普段からこんなに熱いのだろうか。私は静かに片足を浴槽から出し、隣の浅風呂に移動した。片足だけでギブアップしたのは初めてだ・・・。
浅風呂はほどよい熱さでした。ようやく一息。
ザブザブザブと湯が溢れる音を聞きながら、いにしえに想いを馳せます。
島原が花街として栄えたのは江戸時代から明治時代にかけてのこと。日本で最初の公認花街であり、当時は格式高い遊宴の街だったという。
ところが立地の悪さが影響し、祇園の繁栄と共に衰退の途を辿り、いつしか住宅街と化しました。
この風呂屋は、島原が華やかだった頃を知らない。この場所に風呂屋があること自体、島原が格式高い花街ではなく一般市民の生活の場所に取って代わったという証明なのかもしれない。
時代は変わったのか。それとも代わったのか。
いにしえのロマンに浸れる風呂屋でした。
島原温泉さん、ありがとうございました!
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営業時間 14時半〜24時半
定休日 金曜
ちなみに・・・『島原』というのはあくまでも呼び名であり、正式な地域名を『西新屋敷』といいます。しかしながら島原の名のほうが浸透しており、タクシーでも「島原まで!」とお願いした方が伝わる確率が高いとのこと。
島原散策も非常に面白かったです!
【尼崎市】栄町温泉
久々の初訪問風呂です。
まだ見ぬ風呂屋にワクワクしながら杭瀬駅から歩くこと10分ほど・・・
お!
おお!
おぉおおお!!
しっっぶい建物と煙突を発見。
こちらは今回の目的地の建物裏です。
夕焼けに錆びたトタン壁。もう裏側だけで完全にノックアウトです〜。トキメキを胸に正面玄関へ。
栄町商店街のアーケードをくぐると現れるのが・・・
「栄町温泉」さんです。
屋号看板もなく、一見シンプルな外観。
しかしながら、よく観察してみると壁と足元には素朴ながらも素敵なタイルで装飾されています。
湯のれんの上に吊られた特徴的なランプ。三兄弟みたいで愛らしい。
ではでは、さっそくゴーゴー!
お〜広い。すごく広い。玄関天井も高い!
下駄箱。
ようやく屋号がお目見え。
脱衣所は番台式。そして玄関と同様に非常に広々。壁には栄町温泉さんを紹介した新聞の記事が一枚ぺたり。内容は人間洗濯機についてのもの。
栄町温泉さんには人間洗濯機があります。この浴槽を目当てに訪れる銭湯ファンも多いのではないでしょうか。
ちなみに、私はこの「人間洗濯機」というネーミングが堪らなく好きです。
単純明快、かつ妙に好奇心をそそる不思議な響き。いかにも昭和!て感じがして、なんかイイ。
そんな栄町温泉さんの人間洗濯機はというと、緑のタイルで装飾された楕円形の浴槽でボタンを押すと5分間お湯が5分間グルグルと渦を巻くというもの。
宝湯さんの人間洗濯機に比べるとかなり流れの強さを感じました。踏ん張ってもあれよあれよと流されてしまう。
キッチリ5分間流され続け、主浴槽へ。
今度はゆったり浸かるぞーと思っていたのに、汗がダラダラ。すっかり血の巡りが良くなっていました。
どこか未来的で、だけども古めかしい。
そんな昭和遺産に出会える風呂屋でした。
栄町温泉さん、ありがとうございました!
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栄町温泉
〒660-0815
営業時間 15時〜23時半
定休日 土曜日
【神戸市】浜添湯
どうしてこうも、風呂屋っちうのはこんなにも、心を誘うのでしょうか。
風呂屋に浪漫あり。思わずそう呟きたくなるこの場所は・・・
「浜添湯」さんです。
苅藻駅から徒歩7分ほど。
塀にぐるりと施されたタイル装飾。いかにも風呂屋!て感じがして、胸アツです。少々年季が入っておりますが、これがイイのです。
こちら建物脇。レンガ造りです。
煙突が夕焼けに照らされています。
これまたレトロなバスクリン看板。
現在は薬湯はやっておりませんが、わざわざ撤去はしません。
屋号看板。もともとはどんな色だったのだろう。当時は銅色に輝いてたんじゃないかな、とか勝手に想像してしまいます。
では、そろそろお邪魔させて頂きます。
下駄箱。わずかに差し込む外の光になんだか胸がギュウとなる。
扉を開けると、郷愁感たっぷりの脱衣所と番台がお出迎え。
番台の真上には神棚。さらにその上を見上げると格天井が広がっております。番台には古いラジカセが置いてあって、静寂な空間の中で微かにラジオの声が流れています。なんて渋いんだ。
柱に設置された大きな振り子時計が、いつもよりゆったりと時を刻んでくれているよう。風呂に入る前から心がほぐれます。
浴室にもロマンが溢れています。かつて薬湯だったと思われる泡浴槽と石造りの主浴槽。ゆかには一面に石とレンガが敷き詰められている。その激渋さに胸がジーンとしてしまう。どっしりとした主浴槽にはアツアツの湯が沸いています。アツアツなのでゆっくりゆっくり浸かります。くぅ、やっぱり石風呂はこうでなくっちゃ。
主浴槽の縁には小さな大黒様の像が朗らかな笑みを浮かべています。
よくぞ、震災を耐え抜いてくれた・・・この空間に今でも出会えることに敬意を払いたい。
湯に浸かり、ロマンに浸る。
浜添湯さん、ありがとうございました!
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浜添湯
営業時間 15時〜22時
定休日 月曜
【神戸市】朝日温泉
朝っぱらから温泉なんて、そんな贅沢をしていいのでしょうか。冬の澄んだ朝に、やっぱり恋しくなってやって来たのが・・・
「朝日温泉」さんです。
源泉の掛け流しも楽しめる立体型銭湯です。
すぐそばをJR神戸線の電車が走ります。
もちろん、車窓からも朝日温泉さんがばっちり見えますよ!
こちらは建物裏。逆光で眩しいです。
ではでは入らずんば!
こちらは入り口です。
湯のれんの右側に天然温泉表示看板が設置されています。湯のれんの奥に階段があって、2階にフロントがあります。
券売機で入浴券を買って、脱衣所へ。
脱衣所はロッカーがズラリと並んでいてややコンパクト。脱衣所に登り階段があり、3階が浴室になっています。素っ裸で階段を上がりながらワクワクワク・・・
浴室のドアをくぐると・・・
源泉そのままの源泉浴槽。
加温した温泉浴槽と泡風呂。
有馬温泉と同じ泉質という鉄分豊富な黒泉。
などなどのバリエーション豊かな浴槽がお出迎え。心の中でガッツポーズ。
カランで身体を洗って早速温泉浴槽へ。
「うへへへ・・・」絶妙な湯加減にじぃーんわりと身と心がほぐれて、妙な笑みが溢れてしまう。極楽とはまさにこのこと。
朝から気軽に温泉を楽しめるこの場所と、朝から好きな場所にホイホイ行ける身軽さが愛しい。
束の間の贅沢だった。
でもまだ朝だから、1日はこれから。
風呂から始まる朝はやっぱりエエもんです。
朝日温泉さん、ありがとうございました!
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朝日温泉
営業時間 7時半〜24時
定休日 水曜
【神戸市】水木湯
寒い。寒すぎる。
こんなに寒い冬は、久々じゃないでしょうか。
芯まで冷えた身体を、芯まで温めるべくこの日選んだ風呂屋は・・・
「水木湯」さんです。
現在はマンションになっておりますが、水木湯さんの左隣には昔「水木荘」というアパートが建っていたそう。そのアパートの所有者は、なんとあの水木しげる先生。まだ紙芝居作家だった時の話で、後にそのアパートの名前がペンネームである「水木しげる」の由来になったという。
風呂と話が逸れてしまいましたが・・・そんな大物漫画家さんも通ったという、昔からこの水木通りに存在する風呂屋、それが水木湯さんです。
長細〜い蛍光灯看板には・・・
関西色強めのワードです。
うぅ、それにしても寒い。凍えそうなので早速お邪魔させて頂こうと思います!
下駄箱。ツバメ錠です。
時刻は18時ごろ。ひっきりなしにお客さんが出入りしていました。
玄関のドアを潜ると、お喋り好きのマダムが番台からお出迎え。「今日寒いなー!」「いやー、寒い寒い!!」脱衣所ではそんな会話が飛び交っています。でも、皆さん顔つきが朗らか。もうすぐあつぅ〜い風呂にありつけるという安心感からでしょうか。私も、風呂に入る準備をしながらついつい顔がほころんでしまいます。
浴室はというと、壁の左右にカラン。奥にはヘルスバスとサウナ。そして真ん中には熱〜い湯が沸く主浴槽。私がこの日水木湯さんを訪れたのは、この主浴槽が目的です。
身体洗って、早速主浴槽へ。水木湯さんの主浴槽は、とにかくもう、めちゃくちゃ熱いんです。恐る恐る足をつけ、徐々に徐々に身体を沈めていきます。
うあー、アチャチャ、アチャチャー!!
身体が冷えてるので更に熱く感じます。肩まで浸かるとようやく一安心。
私に続いて常連さんもゆっくり浴槽に入ってきました、が、あまりの熱さに思わず口をあんぐりさせています。「よー沸いとうなー!!」
先ほどまで「寒い寒い」言ってたのに、今では「熱い熱い」言ってます。
「けど、気持ちえーなぁ。」「ですねぇ。」
あつぅ〜い湯船で、終始和やかな雰囲気が漂います。見ず知らずの人間と、同じ湯を共有すると不思議と心の距離も縮まります。これもまた、銭湯の魅力ですね。
今までも、これからも、この場所で。
あつぅ〜い湯を沸かして待ってくれている。
水木湯さん、これからもよろしくお願いします!
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水木湯
〒652-0802 神戸市兵庫区水木通2-2-21
営業時間 7時〜10時 14時〜23時
定休日 日曜
【神戸市】あさぎり湯
神戸は坂道が多いです。
そのべらぼうにキツくて長い坂に
「たまらんな・・・。」
と毒付くこともあるけれど
ふと振り向いて遠くに海が見えたりしたその時は「たまらんな!」と思ってしまう。
やっぱり神戸が好きなのです。
そんな、思わず「たまらん!」と呟きたくなる場所に、湯を沸かす風呂屋があります。
「あさぎり湯」さんです。
赤い屋根に少し小ぶりな「ゆ」の看板。
日の当たり方も美しい風呂屋です。
あえて遠くの方から撮影。白い煙を吐く道。
もう寒いや。そろそろ入りましょう!
・・・お!!!
牛乳石鹸さんの湯のれん2021年バージョン!
こんなに早く実物を見られると思っていなかったので嬉しい。今年は浮世絵のデザインだそう。なんだか風呂欲をそそられます。
暖簾をくぐるとすぐにフロントで美人女将さんがお出迎え。料金を支払って履物を下駄箱に収めます。
フロントスペースには大きな机と椅子とテレビ。静かな空間にテレビでやっている漫才の声だけが響いています。夕暮れの日差しがたっぷりと降り注ぐこの場所は・・・なんというかお婆ちゃん家に来たかのような安心感があります。
女湯の脱衣所の暖簾をくぐると、「くぅ〜っ!」と言いたくなる素敵ポイントが。床全面に畳が敷かれています。湯上りの足に優しいですし、何より見た目も良い。
脱衣所自体は割とコンパクトですが、窮屈感は全く感じません。おそらく、脱衣所と浴室の間の壁が前面ガラス張りだからでしょう。
そして浴室。あさぎり湯さんは浴室も特徴的で、浴槽が埋め込み式になっております。
(通称は埋め込み式浴槽でいいんだろうか?)
カランや手すり以外に高さのあるものがほとんどないので、空間面積が広く見え、これまた開放感があります。
浴槽に身を沈めると、普段の生活よりも低い位置の目線になります。たったそれだけで、ちょっとした現実逃避を味わえる。
天井とステンドグラス風の窓から差し込む優しい自然光。そして、まるで地面から湯気が立っているかのような幻想的空間。
そんな淡い霞を眺めていると、その奥にルーベンスの絵が見えないこともないような気もしないような・・・
見た目も中身も美しい、お疲れ気味の心にそっと安らぎを与えてくれるような、そんな風呂屋です。
あさぎり湯さん、ありがとうございました!
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あさぎり湯
神戸市長田区長屋町2-13-9
営業時間 14時〜23時
定休日 月曜
【神戸市】湊湯
「東の浅草、西の新開地」
今では想像もつかないけれど、かつて「新開地」は関西でも有数の大歓楽街だったという。
そんな"いにしえの繁華街"に、「現存する神戸の風呂で、一番ディープな場所はここじゃないかな・・」と個人的に思っている風呂屋があります。
新開地駅から徒歩5分。
「湊湯」さんです。
・・・て、この位置では全く様相が分からないですね。ここから少し奥に進むと・・・
風呂屋の入り口が見えてきます。
手前がコインランドリーで、奥が銭湯です。
湯暖簾はかかっておらず、少し怪しげな雰囲気が不思議な好奇心を掻き立ててくれます。
屋号名は「湊湯」さんなのですが、何故か風呂看板は「湊温泉」。うーん、ミステリアス。
呼んでいる。風呂が私を呼んでいます。いざ!
脱衣所。非常に広々。
鶴亀錠。
ドアをくぐると、フロント式の番台がお出迎え。お金を支払って女湯側の脱衣所へ。
脱衣所も非常に広々。開放感すら感じます。
浴室のドアをくぐると、まず目に飛び込んでくるのが奥の壁に施されたタイル絵。
どデカイ花の絵です。近くで見るとナンダコレとなりそうですが、遠くから見ると一輪の花の絵だということが分かります。その大胆な構図に、思わず愛しさが込み上げてくる。
さて、まずは身体を洗うぞ〜とカランへ向かおうとしたところ、ふと小さな浴槽に目がいきました。
!!!!
塩風呂だ!!!!
衝撃を受けてしまった。
私はてっきり、大正湯さんが初の塩風呂体験だと思っていたのに・・・。こんな近場に、それも何度も訪れているはずの風呂屋に塩風呂があったなんて・・・。
驚きを胸にしまい込みながらカランへ。
浴槽は大きな主浴槽と、ジェットバス風呂と、塩風呂。身体を洗ってまずは主浴槽へ。
うぅ、アチチ!ゆっくり肩まで身体を沈めると、次第にほぁああ・・としてきます。極楽状態です。
ずっとここに浸かっていたいけれど、やっぱり塩風呂も行きたい。のぼせる前に移動します。
塩風呂はぬるめの温度。けれどこれがすごいんです。めっちゃポカポカになるんです。
「きっと今、私の身体は塩のヴェールに包まれている・・・。」と湯活のススメのKENKENさんに教えて頂いたことを思い出しておりました。塩風呂には保温効果があるそうです!
塩の湯に浸かりながら、ふぅと辺りを見回します。カランや壁など、所々に年季を感じる。湊湯さんは一体、いつ頃からこの場所に存在しているのだろう。
この風呂は、かつての新開地の賑わいを知っているのだろうか。新開地の繁栄に陰りを見せ始めたのが高度経済成長期。神戸市役所が三ノ宮へ移った頃だそう。
「もしタイムマシンがあったなら、過去と未来どっちに行くか」を考えると私はやっぱり過去が見てみたいなと思う。
自分が知らない、けれど確かに存在していた街の風景や人々の暮らしを見てみたいんです。
あぁ、でも。子供の頃の自分はこの場合、迷わず「未来」を選んでいたんだろうな。
この質問で「過去」を選択してしまうことが、なんとなく自分が歳を食った気がして、なんだか切ない。
もしいつかタイムマシンに乗ったら、真新しい湊湯さんの様子も見に行こうと思う。
湊湯さん、ありがとうございました!
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湊湯
営業時間 11時〜23時
定休日 木曜
2020年再訪風呂まとめ
今年再訪して写真を追加した記事をまとめました。お時間がある時にでものぞいて頂けると幸いです♪
◾︎梅ヶ枝湯 さん
◾︎小久保湯 さん
◾︎三光湯 さん
◾︎ふじ温泉 さん
◾︎延命湯 さん
季節、時間帯が変わると風呂もまた色んな表情を見せてくれます。
銭湯オンリーというニッチなブログですが、これからもロマン溢れる風呂の魅力を追求していきます!
来年も何卒宜しくお願い致します。
【尼崎市】笹の湯
洗髪をしている時に、忘れていたことをハタと思い出す事が多いです。
何故なんでしょうね、無になるからですかね。
なんとなくボンヤリ気味な今日この頃、この日ふらふらと訪れたのは・・・
「笹の湯」さんです。
甲子園口駅から徒歩15分ほど。
木をくり抜いた屋号看板。味わい深い。
溢れる郷愁の美をビシビシと感じます。
風呂屋の目の前に設置されているベンチもめちゃくちゃいい感じ。
こちらは建物裏。スマートな煙突です。
ではそろそろ暖簾をくぐりましょう。
虎のタイル絵が潜んでます。
思わず溜め息が漏れてしまいそうな、絵になる下駄箱です・・・。
脱衣所は番台式でややコンパクト。
そして強烈な存在感を放つのが、ピンク色のペンキで着色された木製ロッカー!レトロ感満載の代物です。
ベビーベッドも淡いピンク色で、可愛い・・・!シルバニアファミリーの家具みたいなファンシーさ。
浴室のドアをくぐると、ドーーーーン!と真ん中に設置された四角い主浴槽がお出迎え。
壁の両側にカランが設置されています。
奥の壁にはヨーロッパの田園風景のようなタイル絵。
カランの頭上の窓には魚模様のすりガラス・・・細部までキュンとくる要素が散りばめられています。常連さん以外にも、ファンが多そうな風呂屋です。
洗髪をしながら、家出る前に炊飯器のスイッチを入れ忘れていた事に気がついてしまったけれど、まぁいいさ。
アツアツの極楽風呂に浸かりながら身も心もすっかり癒されました。
お、煙突から黒い煙がモクモクと。
何故だかホッとする光景。
来年もまた来よう。
笹の湯さん、ありがとうございました!
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笹の湯
営業時間 15時半〜23時
定休日 日曜
【尼崎市】泉温泉
あー、次の休みはどこにも行かんぞ。
一日中家でお菓子食べながらぐだぐだして過ごすぞー!
・・・って思ってるのに、どうしていざ休みになると風呂に繰り出しちゃうのでしょうね。
風呂の磁力に導かれ、この日訪れたのは
「泉温泉」さんです。
武庫之荘駅から歩いて20分ほど。商店街を歩くと突如現れるデカデカとした「ゆ」の文字。
魅惑的です・・・。
こちら建物裏。周りには高い建物もなく、空にスッと伸びる煙突がよく映えます。
日が暮れてきました。そいでは、お邪魔しましょうか!
玄関。
下駄箱。
玄関から脱衣所へのドアは自動ドアで、その先には番台式の脱衣所が広がっています。
脱衣所、非常に広々です!
浴室のドアを開くとその先には・・・
ピッカピカの浴槽!!
すごい!!まるで新品のように美しいタイル!!浴槽だけでなく、床もカランも天井もめちゃくちゃ綺麗。かなり清掃が行き届いている風呂屋です。
カランと浴槽に長方形のタイルが貼られているのですが、それがまるで貝殻の裏側のようで七色に輝いています。いやぁ・・綺麗、本当に綺麗な風呂屋。
シャワーも浴槽のお湯も軟水なので、お肌すべすべ&髪の毛トゥルントゥルン。
そして浴槽の目の前には壁一面に描かれたアルプスのタイル絵。
上品な温度のお湯に浸かりながらうっとりと壁画を眺めます。
ここは・・・
ここは・・・お姫様のお風呂屋さんだわ。
プリンセス気分を引きずりながら、家路へと。
泉温泉さん、ありがとうございました!
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泉温泉さん
営業時間 15時半〜23時
定休日 金曜
【明石市】大福湯
あれ?寒。
ドアを開けた瞬間に吹き込んできた風に身震いして、またドアを閉めてしまいました。
冬到来ですかね。今年初のコートです。
コート着て行くとロッカーがいっぱいいっぱいになっちゃうんだよなーと思いながらこの日やって来たのは・・・
「大福湯」さんです。
西新町から歩いて10分ほど。ブルーのテント屋根が印象的な町のお風呂やさんです。
歩いて向かっている時、遠くからこの湯のれんが見えて思わずニヤリとしてしまいました。
牛乳石鹸湯のれん98年バージョン。
そんなにしょっちゅう見かける湯のれんではないのですが、最近遭遇率高めです。
こちらは建物裏です。
浴室の楽しげな声がこちらまで聞こえてきます。
では、いざ!
玄関。入って真正面に傘入れ。傘入れで見えなくなっていますが、後ろの壁にはタイル絵らしきものが一部見え隠れしております。
女湯側のドアは「女」の文字が消えちゃってますね。
下駄箱。
おしどり錠。
脱衣所は番台式。下駄箱の数からも想像できますが、全体的にコンパクトめのミニ銭湯です。
浴室のドアの方を覗いてみると、湯気で中の様子が全く見えない。
これは・・・期待度が上がります。
カバンとコートとマフラーをロッカーにぎゅうぎゅうに詰めて、強引に鍵を閉めます。
さてさて、お待ちかねの浴室へ!
おぉ〜!!
浴室はというと、これぞ銭湯!て感じ。
真ん中に大きな四角い主浴槽。
奥の壁には左右にこれまた四角い浴槽が2つ。
それぞれ薬湯と水風呂。
床と浴槽はピンクと白の四角いタイル。
浴槽もタイルも、み〜んな四角。
静かな空間にモクモクと湯気が立ち込めています。あぁ、なんて素敵空間。
カランは左右の壁に取り付けられており、最初向かって左側のカランを使おうとしたのですが、一向にお湯が出ない。
「そっち冷たいやろー?こっちこっちー!」
常連さんに手招きされて、右側のカランに移動。お、こっちはあったかい♪
無事にあったかいシャワーで身体を洗えて、いざ入湯。湯に浸かった瞬間、脱力。
ちょーどいーお湯やー・・・。
個人的に、ジャストな温度です。
モクモクモクモク、湯気に包まれながらウットリと身を沈めます。休日の夕方にふさわしい、優雅で贅沢な時間。
この風呂、近所に欲しい。
風呂も最高でしたが、常連さんもめっちゃいい感じでした。
常連さん①「アンター!なんやそのお腹!」
常連さん②「妊娠しとうみたいになっとうやんか!」
常連さん③「さっき食べ過ぎたんや。」
常連さん①「何食べたんや?」
常連さん③「鍋焼きと寿司。」
常連さん①「食べ過ぎや!」
常連さん②「80歳が食べる量ちゃうで!」
常連さん③「せやけど食べれてしまうんや。みんな私が食べようとこ見てビックリしてたわ。」
常連さん①「ビックリしてたやあらへん、ちょっとは恥ずかしがれ!」
常連さん③「ええやん、食べられるうちに好きなだけ食べさせてーな。」
常連さん②「夜は少なめにしときや。」
常連さん③「夜もしっかり食べるで!夜中お腹空いたら寝れんからな!!」
常連さん①②「どうしようもないな〜。」
なんか、女子高生みたいな会話!
私、その会話を聞きながら横でケラケラ笑ってました。私が笑ってるところを見て、常連さん達もケラケラケラケラ笑ってました。
寒さなんて、なんのその!
心も身体もすっかりポカポカになれました。
明石の風呂って、どこもかしこ本当に素晴らしいな・・・。
大福湯さん、ありがとうございました!
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大福湯
〒673-0022
営業時間 14時半〜22時
定休日 金曜
【神戸市】ふじ温泉
身が軽いです。
仕事で、半年間のしかかっていた案件をようやく片付けることができて、肩の荷がふぅと降りました。今週はよく働いた・・・。
今日の風呂は格別だぞ。さてー、どこに行こうかなぁ・・と思い巡らせ、浮かんだのがこちら。
「ふじ温泉」さんです。
青い空に青い外壁。ちょっと年季が入ったみどりのネオン屋号。年代物の湯のれん。やっぱり落ち着きます、この佇まい。
建物横には沢山の薪材。
阪急線の線路と踏切の目の前です。
阪急電車の神戸線に乗ると、この光景が車窓から見えるんです。大学時代は阪急ユーザーだったのでほぼ毎日この薪の山を見ていました。そのせいもあって、当時はふじ温泉さんにたいへんお世話になっていました。
私にとっては、青春時代の懐かしい、思わず「ただいま。」と言いたくなる風呂屋です。
では、お邪魔しましょうか。
/うぇるかむ〜\ /まいど〜\
可愛い湯のれん。牛乳石鹸さんのもので1998年夏仕様です。
下駄箱。
傘箱。
鶴亀錠。
玄関のドアをくぐるとラドン発生装置がお出迎えしてくれます。入浴料は今でも380円。※2020年11月現在。
450円が当たり前になってきているので、申し訳ないくらいに安く感じてしまう。フロントで代金を支払ったら脱衣所へ。ゆったり広々です。
お昼前という微妙な時間に訪問したためか、人の数は思ったより少なめ。こりゃ、今回はふじ温泉さん名物の炭酸泉をゆっくり楽しめそうです。
浴室の戸を開けると、やっぱり目に入るのがみんな大好き炭酸泉。銭湯で炭酸風呂が楽しめるなんてお得だなぁと思う。
せっせと身体を洗って、炭酸泉の浴槽にチャポン。他の浴槽に比べると、ちと緩いけれどジワジワ温まるこの感覚、たまらなく癒されます。
ジワジワジワジワと湯船に浸かりながら、ふと学生時代のことを思い出していました。
あの頃は・・時間はたくさんあったのに、自由に使えるお金があまりなかった。
なので、風呂散歩も通学定期券で行ける範囲の場所を探してました。銭湯に興味を持ち始めたばかりで、どこに行っても新しくて、すごくウキウキワクワクしてたな・・。
今はお金なんてあまり気にせず、遠くの風呂へも自由に行けるようになった。あの時に感じてたウキウキワクワクな気持ちは今も変わらず。
だけど、神戸の銭湯に関しては心が躍るような感覚はもうない。どちらかというと、ホッとするような感じがする。
色んな銭湯に行くけれど、やっぱり神戸で入る風呂は落ち着くなぁ・・・と、神戸銭湯の有り難みをしみじみと感じました。
愛しい日々の懐かしい景色。
ふじ温泉さんの青は青春の色です。
ふじ温泉さん、ありがとうございました!
(追記)
2020年12月に再訪致しました。
2週連続のふじ温泉さんです。この日はちょっと遅めの訪問です。時間が異なればまた風呂屋の表情も違ってみえます。
これは・・・私が一番好きな風呂のれんです♡
牛乳石鹸さんの1999年冬季バージョン、かわゆいです。
一日の終わりに一風呂。明日も頑張ろう。
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ふじ温泉
兵庫県神戸市灘区篠原南町1-6-17
営業時間 10時半〜23時半
定休日 金曜 祝日の場合は営業
【大阪市】寿温泉
嬉しい。美味しいですよね、ユーハイム。
そういえば、明日は家に友人が来るんだった。
私はバウムクーヘンをいそいそとクローゼットに隠した。卑しい。でも、独り占めしたいのです。
部屋にバウムクーヘンを残したまま、この日訪れたのは・・・
弁天町駅から徒歩5分。
「寿温泉」さんです!
渋い。「寿」の字体が渋すぎるじゃありませんか!個人的に大好きなんです、モザイクタイルの屋号看板♪
ではでは、早速中へ。
入りから既に素晴らしい。
脱衣所のドアを開けると・・・
人!人!!人!!!
おおっ!?なんだこの人の数は!!
「混んでてすみません〜。」
と番台のお姉さん。
昔ながらの銭湯でここまでの人の数。しかも、親子が一組であとはみんな個人のお客さん。スゴイなぁ、この賑わい。かつて、どこの風呂屋でも見られた光景なんだろうな。元気な風呂屋です。
ふ、と天井を見上げると折り上げ式の格天井。
あぁ・・・美しい。最近なかなか出会えてなかったな、折り上げ式格天井の風呂屋。
木枠の鏡や、今でも時を刻む振り子時計。
賑わいの中で、静かに佇む古き物達・・・。
堪らんです。
浴室に足を踏み入れると、カランが満席!
ひえ〜。今日は特別人が多いんだろうか?
「おねーちゃん、こっち使い〜!」
湯上りマダムに場所を譲って頂き、なんとか着席。普段は身体を洗って➡︎入浴➡︎洗髪➡︎再入浴なのですが、こりゃそんな悠長なことしてられんぞ。
あぁ、早く浸かりたい。浸かりたい。浸かりたい。浸かりたい〜・・・!
鏡越しに移る浴槽にウズウズしながらチャッチャッと身体を洗います。
ようやく浴槽に身を沈めると、思わず「ふぃ〜」と声が出そうになりました。
お湯加減、丁度良しです。
そして御影石の浴槽に床。渋渋です。
それにしても賑わっている。ふとカランの方を見ると、小さい子供がお婆ちゃんの背中を流してあげたりなんかしてて、なんだか物凄く癒される。
いい雰囲気の風呂屋だなぁ。
浴槽の縁に頭を預けながら、ゆっくりゆっくり湯を楽しみました。
風呂からあがると、すっかり日が傾いていました。夕暮れ時の風呂屋って、なんとも乙ですよね。
風が冷たい。
ホクホクしてるあいだに早よ帰りましょう。
寿温泉さん、ありがとうございました!
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寿温泉
〒552-0007
営業時間 16時〜23時
定休日 月曜
【神戸市】灘温泉 六甲道店
時刻は午前5時30分。
まだ外が薄暗い。そのうえ、若干冷える。
頭の片隅に、遠くで湯のれんが揺れている光景が浮かぶ。
・・・俄然、風呂の気分やねぇ!
そう思って、休日の朝っぱらから自転車にまたがって向かった先は・・・
「灘温泉 六甲道店」さんです。
朝の6時から風呂が沸いているのが嬉しすぎる。
そのうえ、源泉掛け流し!
元々は普通の風呂屋だったようなのですが、平成に入ってからの改装で温泉を掘り、以降は温泉銭湯として営業されております。
銭湯価格で温泉が楽しめるということから、ご近所さんや風呂好きだけでなく、幅広い客層から支持されている超人気の風呂屋です。
私が風呂にのめり込むきっかけになったのも、この風呂屋からでした。
この扉、めっちゃ良くないですか?
洋風の建物とのギャップが堪らん。
フロントで支払いを済ませて、いざ!
脱衣所は白を基調としています。
壁も天井も白。改装されてすっかり今風になっていますが、随所にレトロ洋風の面影を感じられます。
浴室に足を踏み入れると、源泉の香りが充満していてテンションがアップアップしちゃいます。カランにはボディーソープとシャンプーリンスも備えつけられています。有り難い。
ピークタイムだとカランが満席のこともあるのですが、朝一は比較的空いています。
せっせ、せっせと身体を洗って、真っ先に向かうのは・・・露天風呂!
露天風呂の浴槽は、ミルキーバブロという装置からミクロの気泡が排出され、見た目が白いお湯になっています。お肌がツルツルになるんだとか。
外気の空気と触れ合いつつ、あったかい気泡風呂に身を沈める。朝っぱらから、こんな贅沢していいのかな。
他にも温泉を堪能できる浴槽や、加温加水も行なっていない源泉風呂なども楽しめます。本当に450円でいいんですかと言いたくなる。
最後は温泉浴槽でゆったりと。肩まで浸かりながら静かに時を過ごします。
・・・お腹空いた。
せっかくだから、この後はどっかで朝ごはん食べよう。どこで食べようかな。
喫茶店でモーニングもいいな。バターたっぷりの分厚いトースト食べたいな。
でもでも、朝から呑んでるおっちゃんに混じりながら、定食屋で豚汁と白ご飯に卵焼きってのも捨てがたい・・・。
風呂から出ると、もう外はすっかり明るくなっていました。
朝日に照らされる灘温泉さんも、また素敵です。
灘温泉さん、いつも癒しをありがとうございます!
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灘温泉 六甲道店
営業時間 6時~深夜1時
(最終受付は深夜0時30分)
定休日 不定休
【豊岡市】京極湯
兵庫の果てだなぁ。
と思いながら長いこと電車に揺られていました。時間にして、約4時間半。
豊岡最後の風呂を求めて・・・
「京極湯」さんです。
もう、風情がダダ漏れじゃないですか!
煙突とイチョウ。
よく見ると屋根のてっぺん部分、鬼瓦が「湯」になっています。こういうちょっとした装飾にキュンとしてしまう。
では参りましょうか!
なんてこった、玄関の全体像を撮影し忘れた。
脱衣所への扉は木製の開き戸です。
他の建具に比べると新しい感じがしますね!
扉の先は、時が止まっていました。
料金は大人380円。背の高い番台で料金を払い、番台横の木製下駄箱に履物を収めます。
下駄箱のちょっと大きめの木札を引っ込抜くと、札の下に隠れていた「使用中」という文字が現れます。スタンプで押したみたいな、可愛い文字。
脱衣所の中でも、特に目を引くのがやはり木製ロッカー。扉に墨で書いたような文字で
「い ろ は に ほ へ と ・・・つ ね な ら む れ」
いろは歌。仮名文字のロッカーです。
ん?なぜ最後の文字が「れ」?
よく見ると、本来の「た」「れ」「う」の文字の位置がそれぞれ入れ違いになっていた。
扉を開くと、裏側が面を取ったような加工がされている。手がこんでますな。ロッカーの鍵は、鶴亀錠。
浴室はというと、非常にシンプル。
カランが7つに浴槽が1つ。
シャワーはなく、カランの蛇口で調整したお湯を桶に溜めて、身体を洗います。
私の他には常連さんが二人。一応、風呂イスが用意されていますが二人ともカランの前でしゃがみこむような姿勢で身体を洗っている。
理由はないけれど、じゃあ私もその方法で。
ツルツルしたタイルの床が足裏に優しい。
「お先〜。」
「さいなら〜。」
身体を洗っている途中で、お二人とも浴室を出られました。律儀に私にまで声をかけてくださるのが嬉しい。急に静かになった浴室。
さて、お待ちかねの入湯!
長距離移動で疲れた身体を癒すぞ。
湯に身体を浸すと、徐々にビリビリビリッと身体に痺れが走り出した。もちろん、電気風呂ではありません。なんてことない、普通の浴槽。
入った瞬間は熱湯って感じでもないのに、身体の芯まで温もりが届いてくる。なんだこれ、すごく心地いい。
ぐーっと息を吸って、ハァと深く深呼吸。
マスク生活で、なんだか息が浅くなっている気がする。これを機に、身体だけでなく気持ちもほぐそうじゃないか。
それにしても、この静けさ。癒されるなぁ。
神社仏閣や教会に流れているのと同じ静謐さを、この場所にも感じる。
心が穏やかになる。何の信仰心もないくせに、祈りたいような気持ちになる。
い ろ は に ほ へ と ち り ぬ る を
わ か よ た れ そ つ ね な ら む
美しい花もいつかは散る
人の命にも終わりがある
何十年後かに二十代の今の自分を振り返ると、あの頃の私は色んなところに出かけて、そしてたくさん風呂に入ったなぁと思うんだろうな。
この先、およそ何の役にも立たないようなことに何時間もかけて、それを全力で楽しんでたなぁと笑うのでしょう。
なんだか、風呂の中で時が有限であることをしみじみと噛み締めてしまった。いつか、こんな時間も無くなるのかな。
きっと、ここが近所にある風呂屋ならこんな感慨深い気持ちにはならなかったはず。
このひと時のために、長い時間をかけてやって来たからこそ湧いてくる特別な思い。
そう考えると、移動時間に何時間も費やすことは、必ずしも無駄な行為だとは限らないなと、思えてくるのです。
風呂から上がると、身体中が真っ赤になっていました。やっぱり熱かったか?笑
日常の中に潜む非日常のような空間だった。
さて、果てから果てへと帰ろうかな!
京極湯さん、ありがとうございました!
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京極湯
営業時間 16時〜20時
定休日 日曜